愚者アリア

2018年07月10日 20:00

りりはうす【タイトル】 愚者アリア
【制作】 りりはうす リリティー様

愚者アリア
【ジャンル】 探索アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類(+BAD END数種)
【プレイ時間】 1周2時間20分(トータル2時間40分)程度
【ツール】 RPGツクールVX Ace(RTP不要)
【容量】 169MB
【公開日】 2015年11月29日
【プレイver.】 1.16

買い物の途中に寄り道をして怪しげなタロット占いの店に入ってしまう
占いで選ばれたタロットカードは「愚者」 主人公はタロットカードの愚者として
カードの世界に取り込まれてしまう…… (制作サイトより引用)


第11回 ふりーむ!ゲームコンテスト 探索アドベンチャー部門金賞を受賞された作品。

以前プレイさせて頂いた大好きなゲーム「物念世界」の作者さんの作品です。
タロットの世界を冒険するファンタジー。
今回はホラー要素はほぼ無しでした。
そして前作に続き、この作品もとにかくグラフィックが美麗!
油絵のようなタッチの景色に、フィールドが切り替わる度にうっとりと見惚れました。

タロットカードの世界だけに、それぞれに呼応するキャラクターが登場します。彼らもひときわ個性的。
特に「戦車」の彼のキャラクターには度肝を抜かれたというか……うちのめされました。
JOJOの第3部とか読んだことある方だとタロットにも馴染みがあると思われますが、
全くご存じない方はどんなカードがあるか調べておくと、より楽しめると思います。
(もちろん、知らないままでもプレイに支障はありません)

今回の主人公アリアちゃんは、ほんわかした素直な女の子(そして天然)。
状況をあまり悲観しないので、始終軽快でほのぼのとした雰囲気が漂っています。
そんな中でもタロットの荘厳さや神秘的なところもきちんと表現されていて、
2つの異なる雰囲気が織り交じった、不思議で独特な感覚を楽しめました。

謎解きは、あまりヒントのない箇所もあってやや苦戦しました。
右往左往しているうちに偶然クリアできてしまったり(蛇のところです)。
特に最後の謎は、前作をプレイしているかどうかによって難易度が大きく変わりそう。
私は前作の経験から閃きましたが、やってなかったら思いつかなかった自信があります。

エンディングはBAD、Nomal、Trueの3種類。
そして上記とはまた別のBAD END(いわゆるゲームオーバー)が多数です。
BADは、1、3、5、4、6までは回収しましたが、全部でいくつあるのか定かではありません。
正規エンディングとしては、NomalEndを一番にクリアしました。
これは、あれ、これで良いと思ったのにNomalなのか……と、ちょっとガッカリ。
分岐は、恐らくココかなと思ったところを試してみたらビンゴでした。
そして、BADを敢えて回収し、最後にTrueEndをクリア。
TrueEndは、正解に気付いた時「あー、そういうことか!」とハッとしました。

分岐点は終盤なので、全エンド回収もスムーズです。
クリアするとおまけ部屋(ここも綺麗)に行けるのも楽しみのひとつですよ!

美しい多彩な景色とキャラクターに彩られたタロットの世界、堪能させて頂きました。
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物念世界

2014年10月09日 17:54

りりはうす【タイトル】 物念世界
【制作】 りりはうす リリティー様

物念世界
【ジャンル】 和風探索ホラーアドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類(+BAD END12種)
【スチル数】 -
【プレイ時間】 2時間半程度~
【ツール】 RPGツクールVX Ace(RTP不要)
【容量】 83.6MB
【公開日】 2013年9月7日

家族で出かけた帰り道
近所の林で怪しげな夜店が開かれていた
不気味な商売人に進められるまま物を買ってしまう
買った夜に不思議な出来事が……(制作サイトより引用)


第9回 ふりーむ!ゲームコンテスト 探索アドベンチャー部門金賞受賞、
第9回 ふりーむ!ゲームコンテスト 大人気賞を受賞されている作品です。

これ、本当に良いゲームです。金賞という言葉が相応しい。
謎解きも難しすぎず(後半少し手こずりましたが)、怖すぎない程度に独自の雰囲気を
確立しており、おまけにグラフィックがため息が出そうな程美しい。
物語が進むほど美しい世界が見られるので、非常に楽しくプレイできました。
逆に難点としては、繊細すぎてアイテムがやや見辛かったという面もあります(短冊とか)。

ストーリもすごく個性的という訳ではないと思うんですけど、心に響いていつまでも
忘れられないであろう作品になりました。
「何か面白いフリゲない?」と聞かれたら、自信を持ってお薦めできる作品のひとつです。

エンディングは今のところ、2種類辿り着けました(バッドエンド除く)。
最初は悪い方のエンディングから見るべし!と思い、途中の選択肢で明らかにマズイと
思われる方を選んだんですが、その先がかなり長くて、ちょっとしまったと思いました。
やはりそこの選択が影響して、一番良いエンドは見られなかったです。
しかし、最初にベストを見ちゃうと長くやり直して他のエンドを見る気力が湧かないので、
やはりこれで良かったか……?
ちなみに、バッドエンドを迎えても直前からやり直せる親切設計なのも良いです。
バッドも凛ちゃんの反応やエンド名が面白いものが多くて、全部回収したくなっちゃいます。

謎解きは途中まですいすい進めたけど、花札の世界は難しかったです。
ノーマルエンドは普通にいけたんですが、それ以上は制作サイトさんの攻略を頼りました。
いくつかの謎解きは、普通に考えると思い付かなかったかなあ、という物がありました。
特に自分は【ツクール系ではマウスを使う事はない】と思い込んでいたので、
自力だと不可能だったかもしれない(※白抜き部分ネタばれ注意)。
制作サイトさんと、そこからリンクがある外部サイトさんにも丁寧な攻略があるので安心です。

主人公凛ちゃんのキャラクターも絶妙でした。
素直で天然。でも胆が座っている(……と言うか鈍い?)そして京都弁。
この子の落ち着いた愛らしい言い回しが物念世界の恐怖感を和らげてくれ、ほっとしました。


以下、ゲームとは少し離れた余談になりそうですが、クリアして感じた思いを。


クリア後のおまけを見ている時に、とても切なくなって思わず涙が出てしまいました。
あんなに怖い目にあったのに、真っ直ぐに「ものは大切にせんといかんよ」と訴えてくる凛ちゃん。
私たちが生きている今は、断捨離や捨て魔の人が人気を博すような時代です。
ものが溢れている現代社会で、それが特に悪い事だとは思いません。実際私もやってます。
でも。
お金のある人は、美しい唯一無二ものを日々磨き、手入れをして。
お金のない人はボロボロのものを繕いながら大切にして。
そうやって、ものと丁寧に向かい合って生きていた、それが当たり前の時代があったのかなと。
そう考えると、何だか喪失感と憧憬が入り混じったような気持ちになり、泣けてきたのです。

物念世界のものと人間、どちらが善でどちらが悪という訳ではないのでしょう。
恐らくものの念は、元を辿れば使う人の思いが込められて生まれるのではないかと思います。
人の思いが希薄になれば、ものが意思を持つ力もきっと生まれない。
物念世界は、徐々に、静かに消え去るのみなのでしょう。
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