カペル-Caper-

2020年11月09日 20:00

アルセイド工房【タイトル】 カペル-Caper-
【制作】 アルセイド工房 沙木直樹様

カペル-Caper-
【ジャンル】 考察系超短編ノベルゲーム
【対象】 6歳以上(小学生~)推奨
【ED数】 7種類
【プレイ時間】 1周1分(トータル14分)程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 126MB(ダウンロード版)
【公開日】 2020年3月13日
【プレイver.】 1.01

とあるアパートの6階角の部屋、そこにナニモノかが訪れる。
「ねぇ、ここを開けてよ」ナニモノかは淡々と告げた。
これは、様々な可能性の分岐した、短い短い物語。 (制作サイトより引用)


ティラノビルダー製で、ふりーむ!もしくはノベルゲームコレクションにて公開されています。

ふりーむ!の作品ページ→ ノベルゲームコレクションの作品ページ→

ふりーむ!の1分ノベルコンテスト参加作品。

「僕」の部屋をノックする誰か。
誰かに答えてドアを開けるか、ドアスコープを覗いて誰なのかを確かめるか。
行動によってエンディングが分岐する、ショートノベルです。
1分ノベルとしては、数分で一話が終わる、オーソドックスな分岐ノベル形式でした。

ドアの向こう側の人物は尖った耳を持ち、いかにも人間ではなさそうです。
いつドアを開けるかでストーリーや人物ががらりと変わるのが面白かった。
真実は読者の想像に委ねられており、詳細は語られません。
考察系って、あまりに抽象的すぎて恥ずかしながら私の頭では解釈が及ばない作品も多いんですが、
この物語は見終わってふと心にどういう情景なのかが浮かんでくるものがありました。
もちろん、その情景が真実なのかどうかは分かりませんが。

どのエンディングも、ハッピーエンドとは言い難いです。
ですが、なぜか嫌な感覚がなく、漂う悲しみさえ素直に受け入れられるようでした。
不思議な感覚です。
訪問者の正体が例え何であれ、孤独な自分に寄り添ってくれると感じるからかもしれません。

トゥルーエンドは、読んだありのままを捉えると分かり易いエンディングなのですが、
ドアの向こう側のはずが風景が部屋の内側のように見えるので、そう単純ではないのかも。
素直に捉えることもできるし、穿った見方もできるころが面白いと思いました。
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この部屋にいるのは誰

2020年11月08日 20:00

まんなかマナカ 主に制作したフリゲについて備忘録【タイトル】 この部屋にいるのは誰
【制作】 まんなかマナカ 主に制作したフリゲについて備忘録 まんなかマナカ様

この部屋にいるのは誰
【ジャンル】 ミステリーホラーノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 4種類
【プレイ時間】 1周11分(トータル15分)程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 130MB
【公開日】 2020年10月11日
【プレイver.】 1.00

とある夫婦の、秘密の物語――。
夫の様子がおかしい。
彼にはどうやら幽霊が見えている様子。
でも、何も感じない妻は、夫の正気を疑うが、果たして……
おかしいのは夫の方なのか。
それとも、妻なのか。
……それとも……?
妻と夫の視点から、真実を探るミステリーホラーノベル。 (ふりーむ!作品ページより引用)


シンプルなグラフィックと語り口が魅力な、ショートノベルです。
夫は妻の言葉に反応せず、幽霊が見えているかのような尋常でない様子。
果たしてホラーなのか、それとも……と、どう転ぶか分からないストーリーに惹き込まれました。

章の始まりはちょっとホラーっぽいアイキャッチが。
ただ、本編は背景画像がフローリングと言うシンプルさで、これが却っておしゃれな印象を受けました。

エンディングは後半の選択肢により分岐します。
全て試せば網羅できるので全エンド見ても15分程度で読了しました。

ストーリーについては、何を書いてもネタバレになりそうで……感想は控えめにしておきます。
最初に感じるちぐはぐな感じが、終盤には段々とピースが嵌っていき、明らかになっていく。
その様が面白く、気持ち良かったです。
短時間で読めて、きちんと纏まりのあるストーリーと鮮やかな語り口が魅力的な作品でした。
ぜひ読んでみて下さい。

以下、ネタバレになり得る感想を反転させないと見えないようにしておきます。
閲覧にはご注意下さい。

上記の背景がフローリングなのも、終わって考えるときちんと意味があってと感心しました。
他にもよく見ると細かい描写が巧妙に書き分けられています。
一度読んでなるほど……!と唸らされ、すぐにもう一度読みたくなり。
再度読むと、一周目では整理できなかったところも理解できました。
しかし、制作サイトさんや他の方の感想を拝見すると、まだ気付いていなかった箇所もあり、
作者さんの文章の巧みさと奥深さにより感心させられました。
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KOKUTOU - 鐘塔の幽霊 -

2020年11月07日 21:16

大沼屋【タイトル】 KOKUTOU - 鐘塔の幽霊 -
【制作】 大沼屋 大沼遼太郎様、アイゼン伯爵様

KOKUTOU - 鐘塔の幽霊 -【ジャンル】 日常ミステリーアドベンチャーゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類
【プレイ時間】 1周57分(トータル1時間7分)程度
【ツール】 ティラノスプリクト
【容量】 305MB(ダウンロード版)
【公開日】 2020年8月31日
【プレイver.】 1.01

『12時、誰もいない礼拝堂の鐘塔に幽霊が現れる。』
そんな噂の真相を確かめるために、
二人は季節外れの肝試しをすることになる。
果たして黒十は見事幽霊の正体を暴けるのか。 (制作サイトより引用)


日常系ミステリーのKOKUTOUシリーズ、第4話が公開されていました。
ティラノゲームフェス参加作の為か、今のところノベルゲームコレクションでのみ公開されています。

ストーリー自体は一話完結ながら、前作から続いてのキャラクターが多く登場しますし、
前作をプレイしていないと分からないエピソードも多いです。
特に今作は、以前のストーリーを知っていればこその感慨が味わえるので、
個人的には、一作目から順番にプレイした方が良いと思います。

今回は、柚葉ちゃんの通う学校の礼拝堂に現れるという幽霊の謎を追っていくもの。
幽霊と言えば真夏が王道ですが、今回はクリスマス前の冬が舞台です。

プレイしてまず、柚葉ちゃん達がセーラー服の上にカーディガンを着ているのに「おっ」と目をひかれました。
制服のカーディガンって、学校指定の同じものを着ているイメージもあるのですが、
彼女たちはそれぞれ違ったものを着ているので見た目楽しいです。
また、黒十さんや柚葉ちゃん達のコート姿も素敵でした。
品の無い感想ですが、お金持ちのお嬢様達なだけに「お高いんだろうなぁ……」なんて思ったりして。

幽霊の謎というのが、いつものまさに日常ミステリーと言える他愛ない謎解きに比べ、
どこか非現実感を伴っていて不思議な感じでした。
ストーリーも、思いの他シリアスで。
運良く最初に見たトゥルーエンドのルートでは、一瞬ヒヤリとする展開も味わえました。
最後は、シリーズを通じてのあるエピソードにも決着が着けられており、ちょっと泣きそうになりました。

今回、黒十さんはもちろん、前作ではちょっと我儘で嫌な面が強調されていたアリスの活躍も見られ、
全てのキャラクターがひときわ魅力的に描かれていたと思います。
次回作も既に予定されていらっしゃるようで、次は誰に会えるかなぁと今から楽しみでなりません。

それから、個人的には黒十さんが踏みにじられる(物理)シーンも好きです。
心に潜むSな部分が疼きます(笑)
どんなシーンやねんと気になった方はレッツプレイ!
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たまよりひめ

2020年11月04日 20:00

Classic Pink【タイトル】 たまよりひめ
【制作】 Classic Pink

たまよりひめ
【ジャンル】 和風短編乙女ゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類
【スチル数】 6枚
【プレイ時間】 1周20分(トータル40分)程度
【ツール】 ティラノスクリプト
【容量】 193MB
【公開日】 2020年8月31日
【プレイver.】 2.00

――夢か現か、蜃気楼か。

祖母の家で退屈な夏休みを過ごしていた少女、玉姫(たまき)は
村で変わった容貌の少年のソウシと出会う。
そして短い夏の間に交わした約束を果たすため、少女は再び村へ訪れる。

真夏の思い出の結末は。 (作品ページより引用)


ティラノスプリクト製のノベルゲームで、ふりーむ!とノベルゲームコレクションにて公開されています。

ふりーむ!の作品ページ→ ノベルゲームコレクションの作品ページ→

和風のタイトルと可愛いキャラクターが魅力的。
特に、ヒロイン玉姫の衣装が巫女さんっぽくて好きです。
お相手のソウシは何とフルボイス付き。

プレイを始めると物悲しい音楽が流れてきて、悲しいストーリーなのかな?と想像が膨らみます。
ふわりとした絵柄から勝手にほのぼの系の物語を想像していたので、ちょっと意外でした。

おばあちゃんの家のある田舎で出会った不思議な少年ソウシとの物語。
子供時代と大人になってからのキャラクター対比が面白いです。
成長して大人びているけど、きちんと面影を留めていて上手いなぁと思いました。

最後には究極の(?)選択を迫られるのですが、何だかどちらを選んでも辛い展開でした。
しかしこの物語、乙女ゲーではあるものの恋愛描写は薄いように思えます。
「たまよりひめ」のエンドでは、そんな選択ができる程、いつの間に想いを深めたのだろう?と。
これは愛?それとも呪縛なのでしょうか?

以下、これは言うと野暮かなと思いつつ、思わずにいられないことなのですが。
少々ネタバレになるので、反転しないと見えないようにしておきます。

異世界トリップものでよく書いているんですが、こういうの、残された人たちが可哀相(・ω・`)
玉姫一家は幸せな家族として描かれていたのに、恐らくその幸せは滅茶苦茶になったでしょう。
いっそ天涯孤独だとか、都合の良い設定にして欲しかったと思ってしまいます……。
その犠牲に目を瞑る程の覚悟や彼への愛が納得できるだけの描写がなかったように感じるので、
そこは惜しいなぁと思いました。


でも、後書きのエピソードでその辺りの悲哀も示唆されているので、
そこも意図された上で、哀愁ある物語として書かれているのかなとも思います。
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うなずく、うべなう

2020年11月03日 20:08

maymoku games【タイトル】 うなずく、うべなう
【制作】 maymoku games すてばち様

うなずく、うべなう【ジャンル】 短編ノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類
【プレイ時間】 1周17分(トータル45分)程度
【ツール】 ティラノスクリプト
【容量】 190MB(ダウンロード版)
【公開日】 2020年6月21日
【プレイver.】 1.00

口のきけない元死体として、話をきいては相槌を打つお話です。 (作品ページより引用)


ティラノビルダー製のショートノベルです。
制作サイトさんの作品ページとふりーむ!でブラウザ版がプレイ可能。
ノベルゲームコレクションではブラウザ版・ダウンロード版が公開されています。
この記事のタイトルからは、制作サイトの作品ページにリンクさせて頂いています。

ふりーむ!の作品ページ→  ノベルゲームコレクションの作品ページ→

グラフィックを一目見て、「な……キョンシーだと!?」とびっくり。
どうやら立ち絵は素材をお使いのようですが、キョンシーの立ち絵素材があるということもびっくり。
需要、少なそうなのに……(笑)
キョンシーをご存じない方は、ググってみて下さいませ。

それはさておき、このゲームはそのレアなキョンシーを上手くストーリーに絡めていました。
プレイヤー側の目線となる人物は、何と……死体です。
性別も年齢も何もかも、一切分かりません。
ただ、何かしらの理由で死亡したところを、2人のキョンシーに蘇生させられたようです。
しかし蘇生術は成功せず、首を僅かに動かすことしかできない瀕死のゾンビとなってしまいました。
うべなうは「肯う」と書くようですね。知らなかったので、ひとつ勉強になりました。

うーん……自分が死体なら、この状況はすごく嫌です。
無理やり起こされた上、また死ぬのを待つだけなんて。・゚・(ノД`)・゚・。
そんな死体の私に、2人のキョンシーは身の上話など色々と話しかけてきます。
こうなってはもうどうしようもないので、2人に付き合うしかないのでした。

彼らの話や問いかけに頷いたり、時には無言で否定を示したり。
そう、私は決してNoと言えない日本人ではなかった……!
頷かないことでNoという意思をちゃんと示せるのでした。
頷くと画面が動いたり、時には瞬きしたり視界がぼやけたりと、
画面のこちら側の存在が感じられる演出が面白かったです。

会話への返答によってエンディングが分岐していきます。
ひとつめ、ふたつめは自力で到達できたものの、みっつめがクリアできず攻略を拝見しました。
かなり頑張って色々選択肢を試したのに、ダメだった~εミ(ο_ _)ο
ひとつエンディングを迎えると、タイトル画面の「付記」からヒントと攻略が見られるようになります。
2人についてのエピソードも見られますので、自力クリアできた方も見てみると良いかも。

話を聞いているうちに、彼らのおかれた状況が段々と分かってきます。
後半は意外なことも分かってきて、あぁ、何てことだと同情を禁じ得ませんでした。
不死の存在となって過ごす時間の虚しさ、悲しさをどこか感じてしまいます。
しかし、2人いるからこそ支え合って「生きて」いられるのだなぁと。
それもどこか危うい均衡であるように思えますが……。
彼らの未来に希望はあるのでしょうか。願わくば、どうか穏やかで幸福でありますように。
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