蒼の屋敷

2019年01月12日 22:38

ちゃんとする【タイトル】 蒼の屋敷
【制作】 ちゃんとする サム様

蒼の屋敷
【ジャンル】 サスペンスADV
【対象】 全年齢
【ED数】 6種類
【プレイ時間】 1周20分(トータル55分)程度
【ツール】 NScripter
【容量】 39.1MB
【公開日】 2013年4月30日
【プレイver.】 1.05

旅行の途中で怪我をしたレイビットは
息も絶え絶えの所を、近くの屋敷に住むエウルに助けられます。
怪我が完治するまで屋敷で療養する事になったレイビット。
美しい屋敷の主人と、無愛想なメイド、優しい執事など
独特な住人達との生活は安らかでとても楽しい日々です。
しかしそんな生活もつかの間、屋敷の謎が少しずつ見えてくるのでした。
(ふりーむ!作品ページより引用)


森の中で怪我をした主人公が、通りすがった男性の屋敷で過ごすお話。

オープニングシーンを見て、結構な残酷さにびっくり。
ただ、その後の展開はほのぼのとしています。
豪華なお屋敷で、使用人も主人も親切。レイビットは楽しく過ごします。
怪我をするのは嫌ですけど、お屋敷に泊まれる機会など滅多にないし、ちょっと憧れます。
レイビット羨ましい!と思っていました。

ただ、ゲームは「サスペンスADV」ですし、紹介文やオープニングの不穏さからしても
この屋敷には謎があるんだろうな……と覚悟はしていました。
周回プレイを進めるうち、その「謎」が明らかになっていきます。
ネタバレになりそうなのであまり詳しくは書かないことにしますが、
段々と緊迫した状況になってきて、手に汗握りながらプレイしていました。
可愛らしいキャラクターと、序盤のほのぼのに騙されてはいけません……!
というか、可愛らしいからこそサスペンスな展開が余計に怖くて震えます。

ストーリーは予想外というものではなかったものの、見せ方が上手いなぁと思いました。
2周目から徐々に真実が見え始め、ある程度のエンディングに辿り着くと
更にその先が解放されるという仕組みになっています。

サム様の作品はいくつかプレイさせて頂きましたが、「雨雲」のようなサスペンスから
魔法お仕事物語 Twinkle Night」のような暖かくて優しい作品まで、作風の幅が広いんですよね。
なので、この作品はどっちに転ぶのかと想像がつかないのも良かったように思います。

きちんと選択肢を試していけば詰まらずに全エンディング制覇できると思います。
トータルでも1時間程度でクリアできるかと。
短編ながら、ぎゅっと面白さが濃縮されている作品でした。お薦めです。
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雨雲

2018年12月15日 20:47

ちゃんとする【タイトル】 雨雲
【制作】 ちゃんとする サム様

雨雲
【ジャンル】 サスペンスアドベンチャー
【対象】 15歳以上
【ED数】 4種類
【プレイ時間】 1周1時間~(トータル2時間)程度
【ツール】 LiveMaker
【容量】 87.5MB
【公開日】 2015年3月21日
【プレイver.】 1.07

女性の失踪事件と、とある女性の物語。 (ふりーむ!作品ページより引用)


序章~終章までの5章で語られる、クライムサスペンス。
事件の概要を纏めたりのミニゲームはあるものの、推理入力や選択などはありません。

ストーリーは重く、正直万人受けするものではないかもしれませんが、すごく面白かったです。
文章もグラフィックの演出も丁寧で、今まで何で知らなかったんだ、勿体ない!と思いました。

イベントシーンではグラフィックがアニメーションで表現されていて、見応えがあります。
特にストーリーのオープニングでもある序章は……臨場感がすごい。
サスペンスだと分かっていてもぞっとしたし、胸が痛みました。

続きの第一章からは舞台ががらりと変わります。
あれ、別の話になった?と首を傾げつつ読み進めることに。
次の章に行くとまたお話は一転しますが、読んでいくとストーリーの骨格が見えていきました。
犯人も終盤までプレイすると、おのずと察せられます。
犯人の生い立ちには同情はしますが……だからと言って共感も肯定もできない。
しかし、辛い境遇が犯人を狂わせたのか、犯人が狂っていたからそんな境遇になってしまったのか。
どうなんでしょうね。

終章では、選択肢によって即死(ゲームオーバー)もあり。
運命の分かれ道ではセーブを促されるので、ありがたいです。
終章はスリルと緊張感がすごく、思わず主人公の気持ちになって震えてました。
2択の選択肢が3連続で、ひとつでも間違うと即死なシーンがあるんですが、
偶然にも全部正解の選択してびっくり。運を使い切ったかもしれない。

最後には、何の因果か憎むべき犯人も自身を苦しめた人たちに復讐を果たしていて、
良く練られているストーリーだなぁと感心しました。

エンディングは4種類としていますが、基本は1種類です。
残りは、途中の選択肢次第で事件が起きなかったり、最後まで辿り着ずにて終わるエンディング。
ただ、これらもエンディングとしてカウントされていて、全部見るとクリア後におまけスチルが見られます。

トータルクリア時間は2時間程度でした。まさに2時間サスペンスドラマ……!
章仕立てなので途中で休憩しながら読めて良かったです。

ふりーむ!でのレビューがやや辛口なのが意外です。
私にとっては、かなり好きな作品のひとつになりました。良質のサスペンスだと思います。
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絆輝探偵事務所

2018年09月28日 21:34

絆輝探偵事務所【タイトル】 絆輝探偵事務所
【制作】 絆輝探偵事務所 Little氷華様

絆輝探偵事務所
【ジャンル】 ミステリーホラー
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 4時間半程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 659MB
【公開日】 2017年3月9日
【プレイver.】 1.05

平凡な大学に通っている夕霧ヒカルはある日、殺人の罪に問われ逮捕されてしまう。
そして事件に見に覚えのない彼に待っていた判決は、死刑であった。
そんな危機的状況に現れたのが、探偵中曽根望彩。
彼女は謎の条件の下ヒカルを脱獄させ、彼の無実を証明するために事件現場へと連れていく。
何故夕霧ヒカルは犯人に仕立てられたのか、中曽根望彩は何者なのか。
事件現場で待ち受けていたのは、壮絶な真実だった。 
謎が謎を呼ぶミステリーホラーゲーム。 (ふりーむ!作品ページより引用)


第13回 ふりーむ!ゲームコンテスト 探索アドベンチャー部門で金賞を受賞された作品です。

以前から気になっていた作品なのですが、5~6時間の長編ということでなかなかできず。
今回、ようやくプレイさせて頂きました。

ふりーむ!さんの作品ページコメントに「本格推理ではありません」と注意書きがあるので、
ガチガチの推理ものではないのだろうと思ってはいました。
プレイを始めると、ぞっとするような音楽とプロローグが始まります。
わあぁ、下手なホラーより怖い(((゜Д゜)))
こ、この作品はどういう方向性なの!?と、その時点でワクワクです。
蓋を開けてみると、推理も、ホラーも、その他諸々も……
作者さんが面白いと思うものを色々詰め込んだであろう、ボリュームたっぷりの作品でした。

最初にゲームの難易度をEAZY,NOMAL,DEFFICULTから選ぶことができます。
どうしようか少し迷い、とりあえずNOMALで始めて見ることに。

序盤から、プレイヤーが状況証拠をもとに答えを当てるという推理パートがあり面白かったです。
ただ、ずっとその形式が続く訳ではありませんでした。
プレイヤーではなく、主人公のヒカルが推理を披露する展開の方が多かったです。
謎解きも途中でぽつりぽつりと混じっている感じ。
どちらかというと探索とストーリーを見ていくことがメイン。
時折挟まるキャラクターボイスと、綺麗なグラフィックの一枚絵がかっこ良くてインパクトがあり、
長い探索の中での良いスパイスになっていました。

探索は、場所は広いものの関係ないところに行こうとすると行けなかったり、
調べるべき箇所には印がついていたりで、あまり迷わないような親切設計でした。
そして、中盤からは最初に選んだ難易度が影響する、逃走ゲームがあります。
これ、私には難しすぎました(・ω・`)
敵に追いつかれたときにキーボードのCを上手く押して逃れなければならないのですが、
私は基本ゲームパッドプレイなので、Cキーだけキーボード操作にするのは難しくて。
かと言ってキャラクター操作もキーボードでやるとのは、不慣れすぎて無理でした。
NOMALだと全く進めなくて、途中からEASYに切り替えました。
もうひとつ、画面が暗すぎて殆ど見えず。明度を最大まで上げて何とかギリギリ見える程度です。
私のPC環境と相性が悪かったです。EASYモードがあって良かった。

緻密な設定に感心するところもあれば、かなりぶっ飛んだ展開に唖然としたところもあり。
色々な展開に驚き、突っ込み、疑心暗鬼になりつつプレイし、何だかんだで最後まで楽しめました。
見事に回収された伏線もある反面、終わってみると「あれはどうなった?」と疑問点も残ります。
この作品、続編も作られているようなので、もしかしたらそちらで謎が明かされているのかも。
そちらもまたプレイしてみたいです。
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イービルウィッチ

2018年09月10日 20:00

イービルウィッチ ふりーむ!のページ【タイトル】 イービルウィッチ
【制作】 ハコノネコ様 (twitter

イービルウィッチ
【ジャンル】 推理ゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 1種類
【プレイ時間】 40分程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 81.3MB
【公開日】 2018年8月10日
【プレイver.】 1.01

令嬢・八里千秋は毎晩奇妙な夢をみる。
自分の身体に邪悪なモノが侵入してくる悪夢だ。
ある日、千秋のもとを訪れる旧友・十槍あかね。
あかねは千秋に断言する。
「あなたには入れ替わりの魔法がかけられている。あなたを狙う術者をつきとめないと」
クトゥルフ×推理ゲーム、ここに開幕!! (readmeより引用)


クトゥルフ神話をモチーフにした推理ゲームで、ティラノビルダー製です。
ふりーむ!さんからはダウンロード版がプレイ可能。
その他に、ノベルゲームコレクションにてブラウザ版がプレイ可能です。  ページはこちら→

何となく面白そうだな、と思ってプレイさせて頂きました。
いやー、期待以上に面白かったです。
神様の血を引く能力者、というちょっと厨二な心ときめく設定と、ミステリー。両方大好物なのです。

私はクトゥルフについては「何となくこんなもの」という漠然としたイメージと浅い知識しかないのですが、
そんな人間にも分かり易いよう、序盤で大まかな説明があったりします。
モチーフからしておどろおどろしい昏い雰囲気かと思いきや、登場人物が意外とコミカルで魅力的。
会話に飽きることなく引き込まれました。
ファンタジー要素と堅実なミステリー、そして人物の魅力が相まってとても楽しかったです。

推理に関しては一点、魔女の正体を暴くというファンタジー要素満載のもの。
ですが、とてもベーシックでシンプルな出題で、堅実だなぁという感じです。
きちんと考えればきっと分かるはず、という難易度かと。
ちなみに、私は一発クリアできました。ちょっと嬉しい('-'*)
犯人は2択なので煩雑さはないものの、犯人指摘の根拠が入力形式なので詰まると辛いかもしれません。
推理は失敗するとエンディングが変わるかなぁと思って試したところ、正解するまでループします。

作者さんのtwitterを拝見したところ、続編制作中とのこと。
もう好みにヒットの作品で、「続きがプレイしたい~」と思っていたので、狂喜乱舞しました。
楽しみです。
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親愛なる○○へ

2018年07月20日 20:00

有限の遑【タイトル】 親愛なる○○へ
【制作】 有限の遑 皐月の夢様

親愛なる○○へ
【ジャンル】 探索ホラーゲーム
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 3種類
【スチル数】 5枚
【プレイ時間】 1周1時間40分(トータル3時間10分)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 52.5MB
【公開日】 2017年4月2日
【プレイver.】 1.05

大学に入学し、一人暮らしをしている主人公の女性、つかさ。
一週間前から、彼女の元に差出人不明の手紙やプレゼントが届くようになる。
”愛する君へ”これはストーカー…?
降りかかる恐怖に怯えながら、つかさは自分に何が起こっているのか調べていく。
ストーカーは人間?それとも――。 (ふりーむ!作品ページより引用)


第13回 ふりーむ!ゲームコンテスト 女性向けゲーム部門で金賞を受賞された作品です。

受賞に相応しいと思える良作ですが、ひとつ疑問なのはなぜ女性向け部門なのか?と。
女性向け要素が皆無とはでは言いませんが、特に恋愛メインなストーリーでもなく。
とても面白い作品ですので、そこで男性が敬遠してしまうことがあっては勿体ないと思います。
ミステリー・サスペンス好きな方、男女問わずお薦めしたいです。

実はこの作品、フリーゲームから遠ざかっていてもうやらないな、と思っていた時期に
ゲーム実況動画で一通り見たことがあるのです。
通常は動画で見たゲームはプレイしない傾向なのですが、他の作品で作者さんの
ファンになってしまったので、こちらも改めて自分でプレイさせて頂くことに。

ストーカーの被害に悩まさせる、都会で一人暮らしをする女子大生のストーリー。
ストーカー行為はダメですが、確かに、常に傍で守ってあげたくなるような儚い雰囲気の美人ですよね。
ただ、彼女はその見た目にそぐわず、自分のことは自分で解決するという強さを兼ね備えた女性です。
そこが仇になり、友人や警察になかなか弱みを見せられない……という脆さに繋がっているのですが。

プレイを進めて行くと、彼女がどういう被害に遭っているを体験することになります。
バイト先の同僚、大学の友人、そして幽霊のような超常現象から何と自分自身まで、
何もかもが怪しく見えてくるという語り口が上手いです。すごい展開。

そして、道中には様々な謎解きもあり。
ストーリーは前述のように動画で見たことがあったので記憶に残っていたのですが、
謎解きはほぼ忘れかけていて苦戦しました。
特に、後半で出てくる箱の開け方は全く覚えておらず、相当悩みました。
しかし、翌日まで持ち越したところ突然閃いて何とかクリア。嬉しかったです。
そんなのアリかー!と思わずのけぞるような少し捻った謎解きもあり、結構難しいと思われます。

そして、GoodEndへの行き方も全然覚えてなく、初めはBadEnd2へ到達しました。
普通にプレイしていると真っ先にこれに辿り着くはず。
このエンドはBadながら、作品の真骨頂とも言える展開です。
あまりに印象的なだけに、そこは覚えていたので驚きは味わえず……悔しいところです。
Badをクリアすると、エンディング後に少しおまけのような要素あり。
これを見ると、心が抉られます。
こんなにBadで心が痛む、そして何としてもGoodに行かねば!と思わされる作品もそう無いかと。
そこではGoodEndへのヒントも貰えます。
自力で回収するのは少し大変なので、そこはありがたいところ。

そして、2周目で無事GoodEndへ。やったよ……。・゚・(ノД`)・゚・。
これも諸手を挙げて喜べるエンドではないものの、納まるべきところへ納まったかなというものでした。
BadEnd1は、作中ヒントもないのでさっぱり分からず、攻略サイトを頼りました。
これもちょっとフラグ立てが難しい。しかし、見ていくと「こんなシーンもあったんだ」と面白かったです。
Bad1も後味は悪いですが、それだけでなく何だかとても……複雑な気持ちにさせられました。

また、2周目以降は登場人物が「その時何を考えていたか」という心の声が追加表示されます。
それを見るとストーリー展開がより分かり易いので、スキップせずに読んでいくと面白いです。

これまでの皐月の夢さんの作品は、ストーリー自体が上手いというよりは、
魅力的な舞台と設定をベースにキャラクター同士の絡みや台詞の上手さで
魅せていくものが多かったように思います。
ストーリー以上に、台本と役者が素晴らしかったのです。
しかし、この作品はストーリー構成自体が秀逸で、思わず唸らされる逸品でした。
キャラクターも魅力的なのですが、もし役者を総入れ替えしたとしても恐らく作品は色褪せない。
今までの作品もすごく面白かったけど、更に進化されたなという印象を持ちます。
この作品が今の時点で最新作。
ゲーム制作大変だとは思いますが、新作作られないかなぁ……と心底待ち遠しい作者さんです。
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