闇の森の少女

2018年09月25日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 闇の森の少女
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

闇の森の少女
【ジャンル】 掌編ダークファンタジー
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 15分程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 121MB (ダウンロード版)
【公開日】 2018年3月1日
【プレイver.】 1.00

恐ろしい魔物が棲む森を
幼い弟の手を引き 少女は走る (ふりーむ!作品ページより引用)


ティラノゲームフェス2018 にて、佳作を獲得された作品です。

ティラノビルダー製の選択式ノベル作品。
基本ブラウザプレイで、ふりーむ!IDをお持ちの方はダウンロードも可能です。
ノベルゲームコレクションでも公開されていました。

ふりーむ!の作品ページ→  ノベルゲームコレクションの作品ページ→

こちら、千文字喫茶2への参加作品ということで、テキストはシンプルに抑えられています。
ですが、動きのあるグラフィックとBGM、効果音の演出で盛り上げられていて、
得体のしれない魔物から逃げ回る、息の詰まるような緊迫感がひしひしと感じられました。
墨色の画面も、物語のシチュエーションにぴったりです。
物語を進める度に少しずつ変わり明かされていく「何か」にも、怯えつつも引き込まれていきました。

セイナルボンジンさんの作品をプレイした方ならご存知かもしれませんが、
こういう人外が絡む物語には狂言回しを担う「黒服の男」が登場することがあります。。
今回も彼が登場しまして、個人的にそこが嬉しいポイントでした。

エンディングは2つ。BADとTRUEに分岐します。
私はTRUE→BADの順で見ました。
TRUEは、憐憫と空恐ろしさが入り混じったような複雑な気分になり……。

短時間で読了できますし、秋の夜長、眠れない夜に、
彼ら姉弟と一緒に闇の森を彷徨ってみるのも良いかもしれません。
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ドクトルC<ツェー>の診療所

2018年09月08日 21:25

セイナルボンジン【タイトル】 ドクトルC<ツェー>の診療所
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

ドクトルC<ツェー>の診療所
【ジャンル】 短編ノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 4分程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 119MB (ダウンロード版)
【公開日】 2017年1月5日
【プレイver.】 1.00

幸せになりたいと願う女性が
とある診療所を訪れる。
一本道のショートノベルです。 (ふりーむ!作品ページより引用)


セイナルボンジン・たぬ子様によるショートノベル。
ティラノビルダー製で、基本はブラウザプレイです。
ふりーむ!IDをお持ちの方は、ダウンロードも可能。
ノベルゲームコレクションでも公開されていました。

ふりーむ!の作品ページ→  ノベルゲームコレクションの作品ページ→

千文字喫茶参加中とのことで、5分程度で読了できる短編。
しかし、綺麗に起承転結まとまっていて、無理矢理千文字にした感じがまるでありません。
イラストの演出があるとはいえ、この過不足ない完成度はさすがだなぁと思いました。

藪医者かはたまたマットドクターか?
ドクトルCと、彼の元を訪れた女性が繰り広げるドタバタ劇……でしょうか。
コメディタッチながら、何となく身につまされつというか。
何事もバランスが大事だなぁ、でもそれって難しいなぁと、何か考えさせられました。
小粒ながら、ブラックユーモアが効いた印象的な作品でした。
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銀河特装ライジン

2018年08月25日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 銀河特装ライジン
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

銀河特装ライジン
【ジャンル】 特撮風アクションノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 1時間15分程度
【ツール】 NScripter
【容量】 74.0MB
【公開日】 2016年7月16日
【プレイver.】 1.00

銀河連邦警察の捜査官であるライジンこと真明寺 轟。
地球を守る任務に就く彼は、ある日故郷の災厄から逃れ地球に辿り着いた
異星の王女パルティアと出会う。
轟は、彼女に秘められた力を狙う武器商人ドルジからパルティア姫を守る為、戦う。


1980年代の特撮番組をオマージュして作られた作品だそう。
地球を守るヒーロー・ライジンと、その助手のアンドロイド・アリエル。
そして遠い惑星から助けを求めてやってきたお姫様・パルティア達の物語。

セイナルボンジンさんの作品は紙芝居ノベルという独特の作風で、
アニメとサウンドノベルとの中間のような感じです。
他の作品をいくつかプレイさせて頂いていて、その面白さは知っていたので今作も期待していました。
いやー、もう期待通り、すごく面白かったです。
王道ヒーローアクションで、胸が熱くなりました。
主人公のヒーローは、その名も真明寺 轟。
もう、特撮ヒーローになる為に生まれてきたような名前じゃありませんか。
人間味があり、ちょっぴり三枚目。でも人としてカッコ良いヒーローに、
愛嬌たっぷりの可愛い助手、そしてヒロインは美しいお姫様。
悪役もイケメンで、その手下は絵に描いたような、時代劇の悪代官のような悪党という。
もう、正義も悪党も全部含めて全部魅力的なのです。
何も凝ったシナリオや斬新な設定なんてなくても面白いものは面白い、
ということを気付かせてくれる作品です。素晴らしい作品でした。

しかし、その面白さも作者さんの力量ありき。
丁寧に作られたらから作品だからこその面白さだと思います。
この作品の為に900枚を超える画像を描かれているそうで、凄まじい。
同じストーリーでも、この努力、そして演出の巧みさと丁寧さが無ければ陳腐になってしまうでしょう。

ヒーローものだから、きっと最後は勝つ!と信じて読んでいたものの、
この先どうなるんだろうとハラハラドキドキしさせられました。
シリアスな展開の中にも、思わず和んでしまうコミカルなシーンもあり。
そして登場人物たちの悲しみや苦悩も丁寧に描かれています。
子供の頃に見た特撮のカッコ良さだけではなく、色々な意味で「戦う」ことの意味を考えさせらます。
読了後のおまけで4コマ漫画も読めるのですが、そちらもコミカルで楽しめました。

変身特撮ヒーローが嫌いな方はそういらっしゃらないかなと思いますし、
ぜひ手に取って頂きたい良作です。
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桜桃ノ実

2018年07月29日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 桜桃ノ実
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

桜桃ノ実
【ジャンル】 短編紙芝居ホラー
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 15分程度
【ツール】 NScripter
【容量】 11.5MB
【公開日】 2015年5月24日
【プレイver.】 1.04

桜が咲き誇る季節。
病床の津島のもとに、一人の男が見舞いに訪れる。
男は見舞いの品と言い津島の好物である桜桃の実を差し出すが、
それを見た津島はなぜか言い知れぬ恐怖感に襲われ、その赤い実を払いのけてしまう――


セイナルボンジン たぬ子様制作の、紙芝居風ノベル。
相変わらず、イラストもストーリーもすごく良かったです。
他の作品と比べるとグラフィックの動きは少な目ながら、それがまた静の雰囲気を醸し出していました。

作中では、梶井基次郎の「桜の樹の下には」という文学作品からの引用もあり。
青空文庫で読めるようなので、未読の方はプレイ後に読んでみると良いかもしれません。
昔、このお話が収録されている「檸檬」という短編集を読んだことがあります。
梶井の書く話は瑞々さと繊細さに満ちていて、大分前に読んだにも関わらず今でも心に残っています。
夭逝した梶井の数少ない短編集なので、興味ある方はぜひご覧ください。

そんな梶井の原作とはまた異なり、この作品は暗い、黒い霧がかかったような不気味さが漂っています。
そんな中、溢れんばかりの桜色が美しくも毒々しく色を添えていました。
過去作では、恐ろしくも悲しくて切ないストーリーが多かったのですが、今回は嫌な感じのお話です。
登場人物の表情が豊かで、醜く歪むさまが憎々しい。

読み終えた後、少しだけさくらんぼが得体の知れない生き物のように、空恐ろしく感じられました。
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太陽がまた輝くとき

2018年07月17日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 太陽がまた輝くとき
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

太陽がまた輝くとき
【ジャンル】 映画風紙芝居ノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 35分程度
【ツール】 NScripter
【容量】 21.9MB
【公開日】 2014年5月2日
【プレイver.】 1.11

久しぶりに帰省する娘のミハルと駅で待ち合わせていた刑事・コガ。
時間を過ぎても現れない娘を捜して駅のトイレへ向かうと、中から甲高い悲鳴が聞こえてきた。
トイレへと飛び込んだコガが見たものは、ナイフで刺されて横たわる愛娘の姿だった……。


第10回 ふりーむ!ゲームコンテスト にて審査員特別賞を受賞された作品です。

テキストと共にコマ送りで絵が変わっていく、紙芝居風のビジュアルノベル。
セイナルボンジンさんの作品をプレイさせて頂くのは3作目ですが、これが処女作です。

熟練の刑事が、愛娘が殺された事件を捜査していくサスペンスノベル。
ただ、事件の黒幕や殺された理由等、ストーリー自体はわりとベタな感じでした。
しかし、そこにプラスして主人公が「少林刑事」と呼ばれる拳法の達人という
ちょっと面白い設定が為されていて、そのB級感がまた良い。
その設定を活かしてのアクションシーンもあり、静と動のメリハリが見事でした。

絵はより新しい作品と比べると少し荒い気もしますが、それもまた味があります。
この作品の為に390枚もイラストを描かれているそうで……凄いですね。

オーソドックスな展開ながら、ストーリーの見せ方が素晴らしかったです。
やっぱり豊富な画像に感情を揺さぶられます。
序盤で凄腕の片鱗を見せつつも、娘に会える喜びでニコニコしているおやっさん。
事件に遭遇し、その表情が苦痛に歪む様やその後の鬼の形相が、見ていて辛かった……。
胸を打たれる悲壮感、手に汗握る緊張感、胸が熱くなる高揚感。
最初から最後までドラマチックで、良質のドラマを観ているように最後まで飽きずに引き込まれました。

ラストでタイトルの「太陽がまた輝くとき」という言葉の意味を噛み締めた時に、思わず涙腺が緩みました。
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