廃屋にて

2018年07月19日 20:00

月読みの里【タイトル】 廃屋にて
【制作】 月読みの里 黒時様

廃屋にて
【ジャンル】 ほんのりホラーチックな探索ADV
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 20分~35分程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 12.7MB
【公開日】 2018年1月13日
【プレイver.】 1.04

血で汚れた日記の切れ端をきっかけに、彼らは民家の廃屋を探索することに決めた。
何かあることを期待して。
けれど、何も起こらないことを願って。 (制作サイトより引用)


ホラーゲームで王道の廃屋探索ゲーム。
タイトル画面のメニューが、●録画 ▶再生 ■停止になっているのが面白いです。
まるで、これから起こる出来事を記録するカメラを構えている気分でした。

定番の廃屋ものながら他の作品と一線を画しているのが、探索者が廃墟探索同好会のメンバーで、
きちんと許可を取って探索しているというところ。それだけで新鮮味がありました。
その設定を活かして、雨のそぼ降る暗い中で探索を強行する理由が
「許可を取れたのがその日だけ」だという説得力を生み出しています。
探索でも住人の以前の生活の痕跡がありますし、調査中のコメントも冷静かつ現実的で、
ホラー風のお化け屋敷探索というより本当に廃屋を調査している気分でした。
ただ、新メンバーである主人公が一言も喋らないのが気になるところ。
これは何かあるよな、と、爆弾を抱えつつ探索しているような不穏さがありました。

廃屋はそれ程広くなく、謎解きも易しめだと思います。
1周目はさっくりクリア。
予想外に消化不良な終わり方で、あれ?と思いました。オチは逆に予想の範囲内と言えるもので。
もうひとつのエンドは迷った挙句、制作サイトのヒントを拝見しました。
むー、確かに1周目でそちらに繋がる暗示的な台詞はあったものの、こりゃ分からないわー。

2周目の衝撃はそりゃあもう。恐怖度もさながら、え、嘘ぉ!?とびっくりしました。
まさか……まさか黒時さんがこんな作品をお作りになるなんてぇぇ。・゚・(ノД`)・゚・。
(すいません、勝手な偶像なんですけど、こんな怖い作品作られると思ってなかったんですよ……)
上手く引っ掛かったというか……思わず脳裏を過った予想が裏切られて動揺しました。
こちらのエンドに入ると、アイテムの説明欄にそれまでとは違ったコメントが追加されます。
それを見て、また更にぞわーっとしました。

脅かしや追いかけられ要素などの探索ホラーの定番要素はないので、ドッキリが苦手な方にもお薦めです。
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夢見草の夜

2018年07月18日 20:00

ゴリラの隠れ宿【タイトル】 夢見草の夜
【制作】 ゴリラの隠れ宿 ナイデン内田様

夢見草の夜【ジャンル】 探索型アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 2時間程度~
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 102MB
【公開日】 2017年7月23日
【プレイver.】 1.05

学校行事で山奥の神社に来た霊感の強い女子高生『夢見草五月(ゆめみぐさ さつき)』は
肝試し中に神隠しに遭ってしまう。彼女の運命は果たしていかに… (readmeより引用)


第9回WOLF RPGエディターコンテスト 総合6位他を獲得された作品です。
ふりーむ!さんの他、ウディコンのサイトからもダウンロード可能(エントリー番号【1】)。

学校行事での肝試しが切っ掛けで、怪異に巻き込まれていく少女の物語。
探索ホラーで、追いかけられ要素あります。
怖そうだったので躊躇しましたが、ウディコン上位ということで思い切ってプレイしてみました。

冒頭、宿泊先の神社の巫女さんが昔々の恋物語を語り始めます。
オチが幽霊譚になっており、あぁ、これからの展開に絡んでくるのだろうな、と。
場所も曰くつきですし、主人公の五月ちゃんは霊感の強い少女。
それが仇となって危険な冒険をする羽目になるのですが、この子はひとりぼっちではなく、
「福丸」という、常人には見えない不思議な生き物と一緒なのです。
傍にいるだけの癒しキャラとはいえ、ひとりじゃないというのは何となく心強いものでした。

初っ端の肝試しからお化けのグラフィックに力が入っていて、「うわぁ……すごいなぁ」と。
今は肝試しだけど、これからこれ以上のおっかない化け物が出てくるの?と戦々恐々としてました。

探索は、いくつかある神社を、順番に探索していくというもの。
神社は選べる訳ではなく、ストーリーが進むにつれひとつずつ行けるようになります。
建物に入ると、“〇〇神社 危険度:D” のような表示が……。
Dって低いよね?どの程度なんだろう?とドキドキ。
序盤から妖怪がウロウロはしていましたが、最初はさすがに逃げも謎解きも余裕でした。
あ、これなら頑張れる!と。
しかしステージが進むにつれ、危険度は上がっていきます。
ステージには難易度が選べる所もあるのですが、迷わずイージーを選びましたとも。
終盤では、最初の余裕が嘘のように化け物が溢れていて、溢れすぎていてむしろ笑えました。
化け物のグラフィックが多彩でちょっとB級感が漂っているのもあり、怖さより面白さが上回ったかも。

むしろ追いかけられ要素より、追いかける要素が難しかったです。
目標に近づきすぎず離れすぎず付いていくというステージなのですが、難易度高いよー。・゚・(ノД`)・゚・。
途中クリアできないんじゃね?と挫けかけた程。でも、何度もトライしてクリアしました。
突破できて良かった……。

五月ちゃんは屈託のない良い子で、その真っ直ぐさに好感が持てました。
月夜の風景や桜の木も美しかった。
オチも綺麗にまとまっていて良かったと思います。
ゲームの雰囲気も、洗練されているというよりは色んな面白いことをこれでもかと詰め込んだ感じで、
今まで好んでプレイしてきたゲームとは一味違う新鮮味を感じつつ、楽しんでプレイできました。

エンディングは2種類。
アナザーエンドの自力回収条件は、攻略を見て無理だ。と速攻諦めましたよ。
腕に自信のない方でもショートカットして見る方法が容易されていて、そちらでやらせて頂きました。
こういう救済措置は本当にありがたいです。
ショートカットを使えば、それほど時間もかからず2エンドとも見る事が可能。
ラストの一枚絵は美しいので、ぜひアナザーエンドまで見ておくべしです。

五月が怖い目に遭う原因となるキーパーソンの女性については、
作者さんが「どう思われるか気になる」と述べていらっしゃいましたので、少し書いてみます。
少々ネタバレもありますので、反転させないと見えないようにしておきます。閲覧にはご注意下さい。

※以下、ネタバレ注意

私は彼女を好きとまでは言えませんが、キャラクターとしてアリだとは思いました。
ただ、ズルいなぁとも思いました。
酷いことをしておいて、分かってるの。でも仕方ないの。と涙ながらに本心を語る。
これだと、被害者としても文句を言いにくい。
罪悪感があるのなら、いっそ本音を飲み込んで悪役を全うする強さを見せて欲しかったかも。



WOLF RPGエディターコンテスト
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太陽がまた輝くとき

2018年07月17日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 太陽がまた輝くとき
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

太陽がまた輝くとき
【ジャンル】 映画風紙芝居ノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 35分程度
【ツール】 NScripter
【容量】 21.9MB
【公開日】 2014年5月2日
【プレイver.】 1.11

久しぶりに帰省する娘のミハルと駅で待ち合わせていた刑事・コガ。
時間を過ぎても現れない娘を捜して駅のトイレへ向かうと、中から甲高い悲鳴が聞こえてきた。
トイレへと飛び込んだコガが見たものは、ナイフで刺されて横たわる愛娘の姿だった……。


第10回 ふりーむ!ゲームコンテスト にて審査員特別賞を受賞された作品です。

テキストと共にコマ送りで絵が変わっていく、紙芝居風のビジュアルノベル。
セイナルボンジンさんの作品をプレイさせて頂くのは3作目ですが、これが処女作です。

熟練の刑事が、愛娘が殺された事件を捜査していくサスペンスノベル。
ただ、事件の黒幕や殺された理由等、ストーリー自体はわりとベタな感じでした。
しかし、そこにプラスして主人公が「少林刑事」と呼ばれる拳法の達人という
ちょっと面白い設定が為されていて、そのB級感がまた良い。
その設定を活かしてのアクションシーンもあり、静と動のメリハリが見事でした。

絵はより新しい作品と比べると少し荒い気もしますが、それもまた味があります。
この作品の為に390枚もイラストを描かれているそうで……凄いですね。

オーソドックスな展開ながら、ストーリーの見せ方が素晴らしかったです。
やっぱり豊富な画像に感情を揺さぶられます。
序盤で凄腕の片鱗を見せつつも、娘に会える喜びでニコニコしているおやっさん。
事件に遭遇し、その表情が苦痛に歪む様やその後の鬼の形相が、見ていて辛かった……。
胸を打たれる悲壮感、手に汗握る緊張感、胸が熱くなる高揚感。
最初から最後までドラマチックで、良質のドラマを観ているように最後まで飽きずに引き込まれました。

ラストでタイトルの「太陽がまた輝くとき」という言葉の意味を噛み締めた時に、思わず涙腺が緩みました。
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こうはいががんばるとロクなことにならない!

2018年07月16日 20:00

COCOON【タイトル】 こうはいががんばるとロクなことにならない!
【制作】 COCOON 八色いんこ様

こうはいががんばるとロクなことにならない!【ジャンル】 女性向けノーマル恋愛ゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 9種類
【スチル数】 10枚
【プレイ時間】 1周8分(トータル40分)程度
【ツール】 吉里吉里2/KAG3
【容量】 16.4MB
【公開日】 2015年5月12日
【プレイver.】 1.10

優秀な主人公(先輩)は、仕事が出来ない後輩の指導に頭を悩ませながらも
日々真面目に働いていました。
そんなある日、後輩にとある秘密を知られてしまいます。
強気になった後輩から負けた方が相手の言う事を聞くと言うゲームを
半ば強制的に持ちかけられ、それに挑みますが……? (ふりーむ!作品ページより引用)


カードを使ったミニゲームが楽しめる、コメディタッチの乙女ゲー。
サラリーマンの2人が主人公……と思いきや、さすがはCOCOONさんと言うべきか。
意外な楽しい設定でした。素敵すぎる!

カードは、天使・悪魔・人間の3種類を使ったもの。
出す回数に制限がないので、要するにカード式のじゃんけんです。
ターン制、更に4枚制(全てに勝つカードが1枚ある)等の方式だったら、
ゲームとしては更に面白かっただろうなーと思いました。
ですが、そうなると思う結果を出すのが難しくコンプリートするのが大変になるので、
あくまで乙女ゲー作品だと考えるとこれはこれで良かったかな。

そしてこの勝負、後輩くんはわりと理不尽な条件を突き付けてきます。
そんなのアリかーい!と思いました。
弱みがあるとは言え、受けて立つ先輩かっこいい。
しかし、セーブ&ロードを駆使すれば思った結果を出すのは簡単です。
ただ、最初は運に任せてみるのも一興かと。
1周目クリア後は、EXITRAのEVENTLISTにて、自分がどのエンドに辿り着いたのか、
そして他のエンドに辿り着くにはどうすれば良いのか分かるという親切設計。
これ、シンプルだけど一目瞭然で、本当に分かり易くてありがたい仕様です。

また、1周目クリア後にはある所でチートアイテムが貰えて使えるようになるので、
それを使うと2周目以降は攻略が楽になります。
実は、ここで過去作のあるキャラがゲスト出演……!懐かしくて小躍りしてしまいました。
他にも、ストーリー中にさりげなく出演している過去作キャラも居たりします。

ミニゲームをさっくり楽しみつつも、、前述のようにやっぱりこの作品の本筋は乙女ゲー。
堅物の先輩と、ノリの良い後輩のやり取りが面白かったです。
COCOONさんの作品はコメディタッチに見えても、ちょっとした仕草や台詞で
きちんと乙女ゲーとして萌えのツボを突いてくるんですよね。
今回も“残念ながら全年齢”(制作サイトの紹介ページの一文です)向けの範疇で
恋愛未満の2人でしたが、心を鷲掴みにされてキュンとしました。
後輩も良いキャラでしたが、それ以上に先輩の様子が可愛くて。
もっとこの2人のストーリーを見ていたいなぁ……と心底思いました。
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アキトDATE ショート ~尾のない黒猫~

2018年07月09日 20:00

FBI【タイトル】 アキトDATE ショート ~尾のない黒猫~
【制作】 FBI 花シュウ様、ハシクラオ様

アキトDATE ショート ~尾のない黒猫~
【ジャンル】 推理アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 1種類
【プレイ時間】 2時間程度
【ツール】 吉里吉里2/KAG3
【容量】 170MB
【公開日】 2013年5月23日
【プレイver.】 1.01

梅雨真っ盛りの6月某日。アパートの一室で、女性の遺体が発見された。
『事件か、事故か』
まったく関係ないはずなのに、気付けば事態の究明を押し付けられている主人公。
不本意全開な彼がトンデモ推理で解き明かす、事の真相とは……?
(ふりーむ!作品ページより引用)


第9回 ふりーむ!ゲームコンテスト アドベンチャーゲーム部門で金賞を受賞された作品です。

こちら、1作目に当たる「「アキトDATE 第一話 ~凶行の違和感~」を、
すごーく昔(コミックメーカー製の時代)にプレイさせて頂きました。
続編があるのは知っていて気になっていたのですが、ようやくプレイすることができました。
ちなみに第二話はシェアウェアで、体験版のみフリー公開されています。今作が3作目となります。

昔ながらの推理アドベンチャーで、絵がくるくる動くのがすごくカッコいい。
ただ、文字速度は少し遅めです。オプションの設定で速めにしてもやっぱり遅いと感じました。
捜査までの導入ストーリーの後、現場に入ってからは画面クリックで調査していきます。
同じ箇所も何度か調べると変化があるので、詰まったら粘り強く調べるのがポイント。
ちなみに、調査を進めると人物や証拠物に関しての「カード」が手に入り、
それについてアキトの考察を読むこともできます。
これはやらなくても進行できるようですが、見ておくと面白いです。
しかしこの刑事さん、前作には登場しているようですが……第一話にも居ただろうか?
さすがに10年前だと記憶にありません。今度また再プレイしたいですね。

推理は、かなり丁寧にポイントになる事象についてアキトが注視してくれるので、
何となくこういうことかな、と想像することができました。
推理シーンでは適切な「カード」を選んで推理を組み立てていきます。
特に、最後の推理シーンでは3つのカードを組み合わせて指摘せねばならず、
何となくやらせたい方向は分かったのですがどれが相応しいのか悩んで何度かやり直しました。
これ、当たっていると「これは正解だが、残りはダメ」と教えてくれてやり直しになるし、
徐々にアキトの台詞にヒントが増えていくという親切設計です。
また、ギリギリまで間違えると、もう一度間違えるとゲームオーバーですという警告と共に
「秋人に推理を任せる」という究極の選択肢が。
推理が全くダメでもクリアは可能な設計ですので、詰まって挫折することはないのです。

推理過程では、犯人と友達から罵られながらの披露になるので、ちょっとイラっとしました。
まあ、こんな金髪のチャラい兄ちゃんに言われたくないのは分からなくもないですが。
しかしアキトは優しくて、犯人を告発するような自分の行為に疑問を感じているようです。
冒頭シーンでは彼のやんちゃっぷりを見せられてちょっと引いてしまっていたものの、
そんな人の好さを見せられると、アキトに好感を持ってしまいます。人物造形、良いですね。

画面構成も面白く、絵も綺麗で臨場感があり、推理も本格的。
とても貴重な良質の推理アドベンチャーです。プレイできて良かったです。
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