鵺の子

2018年07月06日 19:50

鳥籠のゲーム作品【タイトル】 鵺の子
【制作】 鳥籠のゲーム作品 鳥籠様

鵺の子
【ジャンル】 短編アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類?
【プレイ時間】 1周12分(トータル20分)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 74.4MB
【公開日】 2017年2月19日
【プレイver.】 1.00

発語障害であまり学校へ通っていない朱理の家庭教師として那木家を訪れた志島。
これは、那岐家で過ごす1ヶ月の物語。


ふりーむ!の千文字喫茶という企画に参加されている作品。
千文字というと、原稿用紙約2枚半です。
読書感想文ならまだしも、物語をひとつ書くにしてはなかなか厳しい文字数かと。
その為、朱理が発語障害で喋らないという設定の女の子で、それを活かしたストーリーでした。
文字制限があるだけに、テキストはシンプルです。
ただ小説とは違って、ゲームではグラフィックや音楽で演出できるという利点が。
この作品も、そういうところで上手く盛り上げていました。

主人公の志島が訪れたのは海辺の町。
ドットのフィールドに、海だけリアルなのがちょっと面白いです。
最初にあっと思ったのが、この町の風景、同作者さんの「祭囃子が鳴り止むまで」と同じなのです。
更に、那木家の和室は「何も事件は起こらなかった」と同じ。
気付いたのはその2つながら、他にもあるかもしれません。
わざとなのか、使い回し(失礼)なのかは分かりませんが、前作プレイ済みだと
何となく懐かしく嬉しい気持ちになります。
和室は小物まで同じだったので、やっぱり意図的にされているのかもしれません。

エンディング数は定かではないのですが、見つけられのは3種類でした。
正規ルートが約千文字とのことで、一番良かったルートの文字数をカウントしたところ、1067字でした。
どこまでを文字に含めるか(タイトルや、絵を枚数分数えるか)で変わる気もしますが、うーむ、中途半端?

しかしこれ、地道に文字を拾って数えていった結果なので、数え間違いがあるかも。
正直、数えている最中「私、何やってんだ」感があったので、数え直す気力はちょっとありません。

エンディングは、終盤での行動によって変わってきます。
途中の交流・探索不足で特に何も起こらないエンディングでは、あっさりと終わってしまう感じ。
より交流を深めたエンディングは、ちょっぴりの切なさと暖かい気持ちを味わえますし、
タイトルの意味にもなるほど、と手を打ちました。

※この記事では、見出し・タグは文字数に含めていません
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何も事件は起こらなかった

2018年06月28日 20:00

鳥籠のゲーム作品【タイトル】 何も事件は起こらなかった
【制作】 鳥籠のゲーム作品 鳥籠様

何も事件は起こらなかった
【ジャンル】 ホラーアドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 3種類?
【プレイ時間】 1周20分(トータル1時間50分)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 149MB
【公開日】 2016年12月29日
【プレイver.】 1.05

僕はお姉ちゃんと2人、家で夕飯を食べ、トランプで遊び、風呂に入って、眠りに就く。
ただそれだけなのに、何かが、何かがおかしい。 (Read meより引用)


第12回 ふりーむ!ゲームコンテスト 短編部門にて銅賞を受賞された作品。

「何も事件は起こらなかった」という平穏そうなタイトルでありながら、
“事件”という単語が出る時点で既に日常ではないことを予感させられます。
逆に興味を引かれる面白いタイトルだと思います。
何となく「そして誰もいなくなった」(このタイトルも好き)を思い起こしちゃいました。

ストーリーは、主人公レンと、お姉ちゃんの一晩のお話。
何気ない日常風景のはずですが、それにしてはBGMが不穏でやはりどこかおかしいと感じます。
そして家の中には、黒い影が……。彼らに話しかけると、音楽も歪むのです。
それだけでぐにゃりと空間まで歪んだように感じられて、怖い。
ちょっとしたことで顕著に奇妙な感覚が表現できていて、すごく良いと思いました。

真相はひたすら隠そうとはしていない(というかむしろ気付くように仕向けられている)ので、
プレイしているうちに、多分こうなんだろうという予想はできるのです。
ただ、それがどういう結末を迎えるのか、という点でハラハラしつつプレイしていました。

エンディングはGOOD END、NORMAL END、BAD ENDがあります。
私は順調に(?) BAD→NOMAL→GOOD の順番で到達。
BADとNOMALの分岐は分かり易いのですが、GOODを見るのにしばし悩みました。
所要時間は、エンディング探しにどのくらいかかるかで大きく変わってくるかと。
(記事に記載のトータル所要時間は、「全ての」エンディングを回収するまでにかかった時間です)
試行錯誤した甲斐あり、何とかGOODを自力でクリアできたときは嬉しかったです。
注意していれば気付くようにできてはいるのですが……何というか、思い込みを突いた盲点でした。

GOODでのラストシーンは台詞まわしが絶妙で、胸が熱くなり思わず涙腺が緩みました。
レンよ……君は本当に小学生なのか……!?
このタイトルにしてこのシーンあり。結び方がお見事です。
読み終わって時間が経った今でも、心に残っています。
見るのがややむずかしいとはいえ、これこそがこの作品の真骨頂だと思うので、
プレイする方はぜひ探してください。迷ったときは、Read meにヒントがあります。

以下、ぼかしていますが少しだけストーリーの内容に触れますので、閲覧注意して下さい。

私の住んでいる地域では、登場人物に降りかかった出来事が相次ぎました。
私や近しい方は大丈夫だったのですが、そのことについては何度も考えて胸を痛めたので、
登場人物の気持ちが痛い程に感じられ、辛かったです。
ですが感情移入できたが為に、終幕の感動もひとしおでした。

※以下、更にネタバレですので反転しないと見えないようにしています。

クリア後、ふりーむ!さんのレビューを見て初めて気が付いたのですが、
この作品にも鳥籠さん作品でお馴染みのあの要素が隠されていました。
すぐにゲームに舞い戻って探したものの、見つけられず……。
GOODまで自力クリアできたのでヒント部屋の存在に気が付いてなく、この時に偶然辿り着きました。
ここで初めてヒント閲覧。
おお、こんなところに懐かしの鳥山恵司さん(にそっくり)な方が……!
この方は神林家殺人事件の登場人物でわりと好きだったので、ご本人かどうかは別として
またお会いできて光栄でした。
タイトルは元々違うものを考えていらっしゃったそうですが、私は現タイトルの方が好きです。

そこでのお姉ちゃんの台詞で条件は閃いたので、その通りにやろうとしたものの更に躓きました。
え、何か無理じゃね?できるのこれ?
もうそれからはそこを目指して一直線で、お姉ちゃんの話とか全然聞いてませんでした。
物語を読まず感じずでただの作業になってしまい、複雑な気持ちです(・ω・`)
全然人の話聞いてないレンを見て、お姉ちゃんどう思っただろうか、と……。

そうして頑張った甲斐があって、ようやく目指すものには到達することができました。
そちらで明かされる結末では、これまた鳥籠さんお馴染みの要素があって、あー、そうきたかー、と。
既にGOODで感動していたので、ストーリー的には見なくても十分だったとも思いましたが、
最後まで(本当にこれで全部かという疑いはありますが)見られてほっとしましたし、楽しめて良かったです。

しかし改めてRead meを読んで思ったのですが、意図的に誤解を招くように記載してあるのに
よくよく考えると嘘は付いていない、というところが絶妙です、ホント。
この作者さん、メタなところでもミスリードを仕掛けてくるので油断ならないです(そういえば前作もそうでした)。
してやられたー、という感じですね。

記事内のエンド数の表記をどうするか迷いました。悩んだ末?を付けて誤魔化してます。
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祭囃子が鳴り止むまで

2018年05月22日 20:00

鳥籠のゲーム作品【タイトル】 祭囃子が鳴り止むまで
【制作】 鳥籠のゲーム作品 鳥籠様

祭囃子が鳴り止むまで
【ジャンル】 掌編ホラーADV
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 30分程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 64.5MB
【公開日】 2016年2月23日
【プレイver.】 1.04

祭の夜に出会った少女と一緒に、僕は高台の神社へ行く。
その道中、僕たちは奇妙な体験をする。
僕の、懐かしく、切ない思い出の物語。 (ふりーむ!作品ページより引用)


ミステリー作品を多く制作されている、鳥籠さんの作品。
前作とは異なり、ミステリーではなくストーリーを追っていくのがメインの作品です。

海辺の町で開かれる、海嘯祭という夏祭りが舞台です。
この日には、彼岸と此岸が近くなるという伝承を持つ伝統あるお祭りながら、
担い手の若者の減少で今年が最後になるという。それだけでも少し切ない。
私の住むところでも伝統の祭りがありますが、田舎ながら昔から規模は衰えていないんですよね。
それだけ、祭り(神事)は町の生活に根付いているもののはずなのです。
それなのに、今年を最後に祭りが消えてしまう。
そう思うと、どれだけ人が少なく寂しくなってしまった町なのか想像できる気がします。

主人公は、この祭りを最後に引っ越しで町を出ていく予定の少年です。
親が転勤族でこの町にも馴染みが薄く、祭りに対して思い入れもない少年。
そんな少年と、祭りで出会う地元の少女の一夜のお話で。
2人で行動していくのですが、途中で選択肢を迫られる場面がいくつもあります。
選択を間違うと即ゲームオーバーになる箇所もあり。セーブはこまめに取った方が良いでしょう。
分岐が多いように見えて実は正解は一択か、会話の変化程度なのであまり迷う事はありません。
恐らく分岐に関わるのは後半での選択肢だと思うのですが、途中の会話での好感度も影響するのかも。
検証できていないのですみません。

後半のあるシーンでは新古今和歌集や万葉集からの引用も用いられています。
知らない和歌もありましたが、調べていくとどんな思いを表しているのは分かる気がしました。

ラストで見られる星空と花火が切なくなる程に美しく、心に染み入りました。
静かな作品ですが、ちょっぴりあの世との境目に迷い込んだようなふわふわした不思議さと
ノスタルジーを感じられ、胸が切なくなりました。良い物語でした。
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神林家殺人事件

2018年04月10日 19:00

鳥籠のゲーム作品【タイトル】 神林家殺人事件
【制作】 鳥籠のゲーム作品 鳥籠様

神林家殺人事件
【ジャンル】 探索推理アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 27種類+α
【スチル数】 -
【プレイ時間】 1周1時間40分~2時間程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 39.5MB
【公開日】 2015年7月
【プレイver.】 1.08

大学の先輩・江崎玲於奈に誘われ、推理小説愛好家が集うオフ会にやって来た高尾田悠。
高名な推理作家の邸宅で行われたその集いが、やがて凄惨な事件の現場となる……。


第7回WOLF RPGエディターコンテスト 総合7位を獲得された作品です。

大好きな鳥籠さんの作品を久々にプレイしました。
完全シリアスに徹した推理ゲームを目指して作られた作品だそうですが、
それでもこの作者さんの作品はどこか飄々としていますね。

まず、ここでは引用しませんでしたが、read meや作品紹介ページに書かれている
ゲームの紹介文からして斬新かつ挑戦的です。

”このゲームは、フィクションではありません”

「この作品はフィクションです云々」のお決まりの注意書きを見て、これをノンフィクションとか思わんよ
……と心の中で突っ込んだ経験をお持ちの方は、私以外にもきっといらっしゃるかと思います。
そんな中、この文章ですよ。これだけで既に興味を惹かれます。
商業ゲームではこういう試みは難しそうなので、こういう点もフリーゲームの醍醐味なのかなと思います。

事件は、クローズドサークルで起こる連続殺人という、推理小説好きなら小躍りしそうな定番です。
舞台となる神林邸は広く、作りが似ているところが多いので、探索は少々大変でした。
ただ、似た場所は廊下の色が違うなど、直感的に違う場所だと分かる工夫がされているのは
ありがたいところです。

事件の犯人は、一応当てる事ができました。
トリックの全貌は分からずとも、トリックの方向性はきっとこういう感じなんだろうな、と。
主人公が事件のトリックを説明するシーンが視覚的に分かりやすくて感動しました。

エンディング数は多いですが、大半は指摘する犯人ごとのエンドなのですぐに埋まります。
ただ、一部は分岐がどうしても分からなくて攻略情報を拝見しました。
自力で突破するのは難しかったと思うエンディングもちらほら。

うーむ、ネタバレになるのであまり詳細には書きませんが、確かに犯人を当てても
「あれ、これって……」といくつかの点でモヤモヤしていたのですよ。
それが最後まで見ると、すっきり終わることが出来ました。
感付いたところもあれば、全く分からなくて驚かされた部分もありました。

正直、現実に実行可能かと言われるとかなり無茶な事件ではないかと思うのですが、
細かい点まで細工されて練られていて、推理ゲームとしてはすごく面白かったです。


WOLF RPGエディターコンテスト
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もしも…幽霊屋敷に泥棒が入ったら…

2015年05月10日 21:38

鳥籠のゲーム作品【タイトル】 もしも…幽霊屋敷に泥棒が入ったら…
【制作】 鳥籠のゲーム作品 鳥籠様

もしも…幽霊屋敷に泥棒が入ったら…
【ジャンル】 探索アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類(?)
【スチル数】 -
【プレイ時間】 1周1時間7分(トータル1時間40分)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 34.5MB
【公開日】 2014年11月30日
【プレイver.】 1.02

ケイとユカリは泥棒のコンビ。
あるペンダントを盗むために廃墟に忍び込んだ。
2人は不気味な洋館の中を探索し、約20年前に起きた悲劇の真相に迫っていく。
(readmeより引用)


鳥籠さんの作品好きなので、公開を楽しみにしていました。
探索ホラーながら、パロディネタがコミカルであまり怖さは感じません。
と思って油断しきっていたら突然の動きにびっくりさせられた場面もありました。ちくしょう。

今回は探索メインで、推理ものではありません。
解答を出さないとクリアできない、というタイプのものではないです。
しかし作中にはきちんと「謎」が存在しており、エンディングも真実が明らかになるか、
もしくは真相に辿り着かずに脱出してしまうかの2パターンがあります。
しかしどちらに辿り着くにしろ、クリアまでにプレイヤーが真相を察するに充分なヒントが配置されており、
プレイしていると「気付き」が与えられるようになっています。
そのヒントの配置具合が実にニクイ。
露骨ではなく、しかし不親切ではない塩梅でした。
どちらかと言うと謎解きが得意でない人にも分かり易いと思われます。
真相に辿りつけなくてもクリア後にきちんと分岐点が示されるのもありがたい。
私は初回は途中で脱出エンドだったのですが、2周目もヒントのお陰で無闇に彷徨わなくて済みました。

ラストは切なさと不気味さが入り混じった不穏な空気で、すっきり終わり!ではないかもしれません。
軽さと重さ、コメディとシリアスが織りなす不思議な余韻を残す作品でした。
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