友達ごっこ

2018年05月26日 20:00

有限の遑【タイトル】 友達ごっこ
【制作】 有限の遑 皐月の夢様

友達ごっこ
【ジャンル】 女性向け恋愛ADV
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 6種類
【スチル数】 13枚
【プレイ時間】 1時間10分~2時間10分程度
【ツール】 LiveMaker
【容量】 27.9MB
【公開日】 2014年3月19日
【プレイver.】 1.03

今まで話したこともないようなクラスの男子2人から告白された貴女。
2人は親友同士なのに、どちらかを選べと言ってきて、しばらく行動を共にする事に。
不可解な告白の真意は何なのか。 (制作サイトより引用)


クラスメイト2人から同時に告白される物語。
両者ともイケメンでクラスの人気者。両手に花で舞い上がりそうなシチュエーションなのですが、
主人公が友達が少なく一匹狼的な子で、2人ともたいして仲良くない男子なので警戒しまくりです。
まぁ、当然か。
そこから2人と行動するようになり、徐々に2人と、主人公自身のことも分かっていきます。
主人公と2人の関係だけでなく、親友同士である男子2人の間にも何やらあるようで。
ストーリーが気になってぐいぐい読み進めました。
「友達ごっこ」という乙女ゲーらしからぬタイトルも、ストーリーの肝になっているのです。

乙女ゲーとしてはオーソドックスに、気になる方とずっと仲良くしていれば良い感じです。
途中の選択肢の外し具合でバッドかハッピーか決まる模様。
クラスメイトなのでほぼ毎日一緒に過ごすというのもあり、
段々と仲良くなっていき好きになるまでが自然な流れで良かったです。
最初は2人の告白をあしらっていた主人公。
段々仲良くなってきて少し期待してしまいそうになっても、そんな訳がないと必死で否定。
最初は俯瞰して事実を観察しているような冷静さを見せつつも、途中からは傷つきたくないが故に
目をそらして期待しないようにする。そんな臆病さに共感してしまいました。

最初に告白してきた廉くんは、甘えん坊で人懐っこいタイプ。年下属性ですね。
育ちが良く優しそうで、素直な好青年です。イケメン眼鏡ばんざい。
彼とはこれぞ高校生同士のお付き合い……青春、という感じを受けました。

たいして千明は、ミステリアス。笑顔の下に隠した本心を表に出さないタイプです。
千明は始終謎めいていて、こちらの方が気になって仕方ありませんでした。
終盤、本音でぶつかり合いお互いの気持ちを確認するシーンがすごくイイ。
演出も上手くて、身悶えしました。
彼はクラスの人気者で主人公とは正反対のタイプに見えますが、実は似た者同士かなと。
千明は社交的な笑顔の裏に、主人公はクールな無表情の裏に本音を隠しています。
この人とは一度理解し合うと深く付き合っていくことができそうですが、
逆にダメになったときの亀裂は大きくて愛が憎になってしまいそうだと何となく思いました。

こちらの作者さんの作品、実は乙女ゲーでない「セブンテットクロス」を先にプレイしまして。

こ、これはメインキャラ2人の関係が素敵すぎて萌える

これ、乙女ゲーにしたらすごく良さそうだなぁ

作者さん乙女ゲー制作者じゃないか!

という流れでプレイさせて頂いたのでした。期待通りすごく良かったです。
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麻生洋一の事件簿 ~どちらかが彼女を殺した~

2018年05月25日 20:00

Hickey Neet Party【タイトル】 麻生洋一の事件簿 ~どちらかが彼女を殺した~
【制作】 Hickey Neet Party 窪田 海兎様

麻生洋一の事件簿 ~どちらかが彼女を殺した~
【ジャンル】 本格ミステリーアドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 1種類(+BAD END8種類?)
【プレイ時間】 1周20分~35分(トータル50分)程度
【ツール】 NScripter
【容量】 18.6MB
【公開日】 2015年12月22日
【プレイver.】 1.10

被害者は豪邸に住む娘、白井泰葉。
彼女は自分の寝室で、何者かに撃たれ死亡していた。
容疑者に上がったのは彼女の恋人を名乗る2人の男性。
しかしその二人の“どちらが”彼女を殺したかが分からない。
一体犯人はどちらなのか? (制作サイトより引用)


第11回 ふりーむ!ゲームコンテスト 推理ゲーム部門で銅賞を受賞された作品。

まさに古き良き推理アドベンチャーで、好みの作品でした。
主人公は警察官で、殺人事件の捜査をしていきます。

東野圭吾氏の著書で「どちらかが彼女を殺した」という作品があるのですが、
作者さんもまさにそれを意識して作られたとのこと。
同書はやっぱり本なので長くて難しい上、作中に正解が書かれていないという意欲作です。
こちらの作品は短時間でプレイできますし、人間関係やアリバイも分かり易く程良い難易度でした。
もちろん犯人もトリックもゲーム中に判明します。

犯人指摘は入力ではなく、推理過程を選択肢で選んでいくタイプです。
私はミスリードに引っ掛かってしまいまして、見事に推理を間違えました。
あまり言うとネタバレになるので難しい所ですが、情報が示されていることだけではなく
示されてないというところまでも鑑みて考えなくてはいけなかったという。
人によってはアンフェアだと捉えられかねない気もしますが、私は面白いと感じました。

こういう文章での選択式アドベンチャーのミステリー、最近なかなか見なくなってきました。
こういうゲームをまさに待ち望んでいたので、プレイできて良かったです。

エンディングは基本ひとつで、残りは推理ミスのBAD ENDです。
全部試してBADは8つだと思っているですが、もし間違っていたらすみません。
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霧笛

2018年05月24日 19:02

セイナルボンジン【タイトル】 霧笛
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

霧笛
【ジャンル】 掌編紙芝居ホラー
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 10分程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 117MB (ダウンロード版)
【公開日】 2016年9月6日
【プレイver.】 1.01

工場での仕事を終え、海にほど近い橋を渡り家路を急ぐ。
霧に包まれた橋で、青年は霧笛を聞く。
――数年前、海で妻を亡くした。
橋の上で黒服の男に出会った青年は、妻への懺悔を語り始めた。 (一部、作品中より引用)


ブラウザでプレイできる、幻想的なホラーノベルです。
ふりーむ!IDをお持ちの方はダウンロードも可能です。私はブラウザ版でプレイさせて頂きました。
ノベルゲームコレクションでも公開されていましたので、ダウンロードでプレイ可能です。

ふりーむ!の作品ページ→  ノベルゲームコレクションの作品ページ→

グラフィックは時にアニメーションのように展開し、見せ方が素晴らしい。
人物の表情が豊かで、彼らの感じた悲しみや苦しみが鮮烈に伝わってくるのです。
やや残酷表現もあるホラーですが、とても物悲しく胸を打たれる物語で、
たった10分という短い話ながら感情を揺さぶられ、読み終わって涙が出てきました。

途中で登場する黒服の謎めいた男、正体は明かされませんが物語の狂言回しを担っています。
作者さんのブログを拝見すると、他の作品にも登場する人物のよう。
イメージの下になった漫画があるようですが、私は存じませんでした。
ともすると主役を担ってしまいそうな人物なんですが、あくまで影に徹していていて
青年を中心とする物語を損なっていません。

ただの残酷表現やオカルトとは一線を画した、なかなか巡り合えない良質なホラーでした。
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鏡屋敷の探索

2018年05月23日 20:00

SmallNight~真夜中のアトリエ~【タイトル】 鏡屋敷の探索
【制作】 SmallNight~真夜中のアトリエ~ こよる様

鏡屋敷の探索
【ジャンル】 探索ADV
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 10種類
【プレイ時間】 1周15分~40分(トータル1時間半)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 23.5MB
【公開日】 2015年8月18日
【プレイver.】 1.00

都内の大学に通う御堂夏樹は、双子の兄弟との待ち合わせの為電車で東京駅に向かっていた。
途中、強烈な眠気に襲われ眠ってしまった彼は、見知らぬ屋敷で目を覚ます。
周りには数人の男女が倒れており、聞くところ皆似たような状況のようだ。
屋敷の玄関は固く閉ざされており、彼らは、屋敷の探索を始めるのだが……。


第11回 ふりーむ!ゲームコンテスト 推理ゲーム部門で銀賞を受賞された作品です。

電車で眠ってしまい、気が付くと見知らぬ館に複数の男女と共に閉じ込められている。
サスペンスにはうってつけのスタートで、ここからどうなるんだ!?と期待感でわくわくします。
ただ、冷静に考えるとこれだけの人数を集めるの(しかも電車の中とかから)無理じゃね?
と思ってしまい……。推理ものってある程度の合理性が求められると思うのですが、
普通では成し得ない現実離れしている状況に、ちょっと首を傾げてしまいました。
ただこの作品、推理ものというより、広い意味でのミステリー作品なんですよね。
コンテストの受賞部門が「推理」だったので先入観を抱いてしまい、違和感の原因になったかもしれません。

そんな館の中で起こる殺人事件。
黒幕からは、「犯人と思うものを殺せば館から出られる」というメッセージが寄せられます。
犯人を論理的に指摘する必要はなく、疑わしきを殺せば良いという。
バトルロイヤルの様相を呈した不穏な展開にドキドキさせられました。
主人公となる人物は2人いて、2人の視点から物語を進めていくのが面白かったです。
最初はSIDE-Aから始まり、1周すると2人目のSIDE-Bが選べるようになります。

他の方のレビューを拝見すると、真相がすぐに分かってしまったという方も多いようでした。
確かに、殺人事件の犯人についてはすぐに察せられたんですが、
私は物語の全容に気が付かず、トゥルーエンドでは「ええええ!」と純粋に驚かされました。
後から思うと何で気付かなかったんだと思うんですが、素直に騙されて楽しめたので良かったです。

エンディングも全て見る事ができましたが、2つほど攻略を頼りました。
攻略はゲームファイルに攻略ヒントが同梱されています。
ちなみに迷ったのがEND4とEND7です。END4は多分そうだろうな思っていた方法だったのですが、
END7に関しては全く掠ってなかったので、見ても何だこれ!?と戸惑いました。
やっぱりこの作品、「鏡屋敷の殺人」ではなく、「鏡屋敷の探索」なんですよ。探索が重要なのでした。

前にも述べたように、推理ものを期待してプレイするとhowとかwhyに疑問を感じてしまうかもしれず、
純粋に探索アドベンチャーとして身構えずに遊ぶととても楽しめるのでないかと思います。
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祭囃子が鳴り止むまで

2018年05月22日 20:00

鳥籠のゲーム作品【タイトル】 祭囃子が鳴り止むまで
【制作】 鳥籠のゲーム作品 鳥籠様

祭囃子が鳴り止むまで
【ジャンル】 掌編ホラーADV
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 30分程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 64.5MB
【公開日】 2016年2月23日
【プレイver.】 1.04

祭の夜に出会った少女と一緒に、僕は高台の神社へ行く。
その道中、僕たちは奇妙な体験をする。
僕の、懐かしく、切ない思い出の物語。 (ふりーむ!作品ページより引用)


ミステリー作品を多く制作されている、鳥籠さんの作品。
前作とは異なり、ミステリーではなくストーリーを追っていくのがメインの作品です。

海辺の町で開かれる、海嘯祭という夏祭りが舞台です。
この日には、彼岸と此岸が近くなるという伝承を持つ伝統あるお祭りながら、
担い手の若者の減少で今年が最後になるという。それだけでも少し切ない。
私の住むところでも伝統の祭りがありますが、田舎ながら昔から規模は衰えていないんですよね。
それだけ、祭り(神事)は町の生活に根付いているもののはずなのです。
それなのに、今年を最後に祭りが消えてしまう。
そう思うと、どれだけ人が少なく寂しくなってしまった町なのか想像できる気がします。

主人公は、この祭りを最後に引っ越しで町を出ていく予定の少年です。
親が転勤族でこの町にも馴染みが薄く、祭りに対して思い入れもない少年。
そんな少年と、祭りで出会う地元の少女の一夜のお話で。
2人で行動していくのですが、途中で選択肢を迫られる場面がいくつもあります。
選択を間違うと即ゲームオーバーになる箇所もあり。セーブはこまめに取った方が良いでしょう。
分岐が多いように見えて実は正解は一択か、会話の変化程度なのであまり迷う事はありません。
恐らく分岐に関わるのは後半での選択肢だと思うのですが、途中の会話での好感度も影響するのかも。
検証できていないのですみません。

後半のあるシーンでは新古今和歌集や万葉集からの引用も用いられています。
知らない和歌もありましたが、調べていくとどんな思いを表しているのは分かる気がしました。

ラストで見られる星空と花火が切なくなる程に美しく、心に染み入りました。
静かな作品ですが、ちょっぴりあの世との境目に迷い込んだようなふわふわした不思議さと
ノスタルジーを感じられ、胸が切なくなりました。良い物語でした。
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