俺とホモと幽霊屋敷

2018年07月31日 20:00

WHGF【タイトル】 俺とホモと幽霊屋敷
【制作】 大人の道楽(ゲームの一覧部屋) オレヌマトオコ様

俺とホモと幽霊屋敷
【ジャンル】 探索ゲーム
【対象】 6歳以上(小学生~)推奨
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 1周30分(トータル1時間)程度
【ツール】 RPGツクールVX Ace
【容量】 12.5MB
【公開日】 2014年8月5日
【プレイver.】 1.3

雨の降る森の中でモンスターに追われ、
辿り着いた屋敷に逃げ込んだ冒険者のアーネストとテレンス。
だがそこに住人は居らず、何やら奇怪な現象が起こり始めて……。


【注意】このゲームをプレイするには別途RPGツクールVX Aceのランタイムパッケージが必要です。
ダウンロードはこちらから→ツクールweb

第10回 ふりーむ!ゲームコンテスト 短編部門の銅賞を受賞された作品。

正直、強烈なタイトルに気が引けて今までプレイしようと思わなかったのですが、
やっぱりコンテスト受賞作だし、光る何かがあるに違いない、とプレイさせて頂きました。

タイトルの通り、BLネタがあります。
ただかなりコミカルで、2人の会話が漫才のようで面白い。
さりげなくアプローチするテレンスを冷静にかわすアーネスト。良いコンビでした。
どうしてもどんなものでもBLが許せないという方でなければ大丈夫かと思いますが、
さすがに万人が楽しめると言い切るには個性が強いかなぁと。

会話はネタ満載ながら、探索ゲームとしては丁寧な作りで面白かったです。
屋敷でよくある構造は縦か横に伸びた廊下の両側に部屋がある……というものですが、
この作品のMAPは街中の家のように全て北向きで立体的に部屋が並んでいます。
一目で全体像が分かるので、見易くて探索し易い作りでした。
部屋に入った時に、部屋の名称が表示されるのも分かり易くありがたいです。
途中結構迷いもしましたが、詰まらずにクリアできました。
謎解きは易しめですし、アイテムは全て自動的に使用してくれます。
主に、次の目的の場所を探すのに時間を費やした感じでした。

エンディングは2種類。
紹介文にも記述があるので書いちゃいますが、キャラクター同士の好感度で変化します。
ちなみに私、1周目の好感度はわずか15でした。あれぇ。
2周目は、制作サイトさんの攻略を見つつ確実に好感度を上げていきました。
お陰で「ゆるいホモエンド」もクリア。
BL好きな方がきゅんとしそうな展開が見られます。
本人には怒られそうですが、基本的にアーネストは可愛いのでテレンスの気持ちも分かります。はい。
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The Boogie Man

2018年07月30日 20:00

Uri Games【タイトル】 The Boogie Man
【制作】 Uri Games うり様

The Boogie Man
【ジャンル】 ホラー探索ゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 5種類
【プレイ時間】 1周7時間半(トータル10時間)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 154MB (フルボイス版)、76.5MB (パートボイス版)
【公開日】 2015年9月8日
【プレイver.】 3

強引な手腕でマスコミの批判を浴びる刑事・キースは、上司から1ヶ月の休暇を言い渡され
妻のヘレナと共に古城宿泊のツアーに参加するよう勧められる。
道中、船上で出会ったデヴィッドやソフィーらと共に古城へ到着したキースだったが、
そこで真夜中に“ブギーマン”と名乗る人物から、宿泊客の命を賭けたゲームを宣言される。
突如として幕を開けた凄惨な殺人劇。
キースはブギーマンの殺戮を阻止し、妻や宿泊客たちを救うことができるのか?


うりさん制作のホラーゲーム"The Crooked Man" "The Sand Man"に続く、シリーズの三作目。
前作までの主人公たちも登場しますので、できるだけ前作を先にプレイすることをお薦めします。

フルボイス版、パートボイス版の2種類が公開されています。
フルボイスは、何とネイティブの声優さんによる全編英語ボイス付。
パートボイスは、悲鳴や鳴き声、そしてイベントのごく一部だけとなっています。
私は最初フルボイス版でプレイを始めたものの、どうしても声に意識がいってしまい
文字を読むのに集中できず。パートボイス版に切り替えました。
ちなみに、セーブデータのファイルをもう片方に放り込むと、既存セーブを使ってプレイ可能です。

そこそこ怖くて、かなり難しくて、そして最高に面白い!!
元々好きな作者さんなので期待は高かったのですが、期待通りでした。
時間もかかっただけに、やり切った充実感と満足感がすごかったです。

作者さんのコメントによると、平均プレイ時間は5.5時間とのこと。
しかし、ホントに難しくて迷ったので、自分はかなり時間がかかりました。
謎解きに手こずっただけでなく、MAPも広くて相当彷徨ったので……。
特に、日にちを開けてプレイすると厳しいですね。
謎解きをじっと考えてた時間、ただ迷っただけで無駄足を踏んだ時間も足すと12時間はかかったはず。

序盤は、ストーリーを追っていくだけの展開がしばらく続きます。
丁寧にムービーやスチルを含めて描かれるので、感情移入しやすいです。
そして、古城に突入してからの急展開が面白い。
ブギーマンによる悪趣味な殺人劇の宣告から、長い戦いが始まります。
この演出には、不謹慎ながらわくわくしました。
しかし同時に、皆を死なせてしまったらどうしようという恐怖感で身が震えました。
私のせいで、デヴィッドやソフィーが死んでしまうのは耐えられない……!
と、ちょっと泣きそうになったりも。
他にも時間制限や、展開によってはブギーマンとのバトルアクションもあり。
過度な脅かしや追いかけられ要素はないのに、心理的な怖さや緊張感がすごかったです。

そして前述のように、謎解きは難しめです。
あまり迷わず解けたものもあれば、やり方は分かったけどなかなか上手くいかなかったものもあり。
正直、ヒントの解釈がどうとでも取れて、的確に正解を指し示してないなぁと思うものがありました。
でも自力で頑張りたく、何とか攻略は見ずにエンディングまで到達。
最初に辿り着いたのはBAD END3でした。かなり衝撃的なエンディングです。

前作までは分岐点がわりと分かり易く、エンディング回収自体に迷ったことはなかったと思います。
今回は、分岐条件の想像はつくものの、そこに辿り着く方法を探るのがとても大変でした。
どうしても何度やっても分からず、公式サイトの攻略を頼りました。
難しいです。頑張れば分かったかもと思うところもあれば、こりゃ思いつかないというやり方もあり。
更にHappy Endへの条件は輪をかけて厳しく、こりゃ誰も自力クリア不可能では思うくらい……。

道中はかなり暗い展開で、幸せな結末など全く想像できませんでした。
4つあるBAD ENDは辛く悲惨ながら、それこそが運命の終着点ではと自然に感じられたりも。
それだけにHappyを見た時は、良かった。本当に良かった、と安堵しました。
エンディング条件は厳しかったと書きましたが、クリア後に思いました。
この主人公を幸せにするのは、本当に困難なことなんだと。
細く、脆く、得難い幸せへの道を何とか掴み取ったのだと。

前作までのストーリーは、若い主人公たちの成長物語と言えるものでした。
今作は、成長というよりは自分を取り戻す道のりかなと思います。
苦難を乗り越え自分自身と戦うという点は同じながら、また違った余韻を味わえました。
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桜桃ノ実

2018年07月29日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 桜桃ノ実
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

桜桃ノ実
【ジャンル】 短編紙芝居ホラー
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 15分程度
【ツール】 NScripter
【容量】 11.5MB
【公開日】 2015年5月24日
【プレイver.】 1.04

桜が咲き誇る季節。
病床の津島のもとに、一人の男が見舞いに訪れる。
男は見舞いの品と言い津島の好物である桜桃の実を差し出すが、
それを見た津島はなぜか言い知れぬ恐怖感に襲われ、その赤い実を払いのけてしまう――


セイナルボンジン たぬ子様制作の、紙芝居風ノベル。
相変わらず、イラストもストーリーもすごく良かったです。
他の作品と比べるとグラフィックの動きは少な目ながら、それがまた静の雰囲気を醸し出していました。

作中では、梶井基次郎の「桜の樹の下には」という文学作品からの引用もあり。
青空文庫で読めるようなので、未読の方はプレイ後に読んでみると良いかもしれません。
昔、このお話が収録されている「檸檬」という短編集を読んだことがあります。
梶井の書く話は瑞々さと繊細さに満ちていて、大分前に読んだにも関わらず今でも心に残っています。
夭逝した梶井の数少ない短編集なので、興味ある方はぜひご覧ください。

そんな梶井の原作とはまた異なり、この作品は暗い、黒い霧がかかったような不気味さが漂っています。
そんな中、溢れんばかりの桜色が美しくも毒々しく色を添えていました。
過去作では、恐ろしくも悲しくて切ないストーリーが多かったのですが、今回は嫌な感じのお話です。
登場人物の表情が豊かで、醜く歪むさまが憎々しい。

読み終えた後、少しだけさくらんぼが得体の知れない生き物のように、空恐ろしく感じられました。
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メタリコ★探偵助手ものがたり。

2018年07月28日 20:00

メタリコ★探偵助手ものがたり。 ふりーむ!のページ【タイトル】 メタリコ★探偵助手ものがたり。
【制作】 愛莉様 (twitter

メタリコ★探偵助手ものがたり。
【ジャンル】 短編アドベンチャー
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 30分程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 11.1MB
【公開日】 2014年10月31日
【プレイver.】 1.1

おバカな探偵助手・リコと、クールな探偵・和哉。
凸凹コンビがお送りする、コミカルな短編アドベンチャー。 (ふりーむ!作品ページより引用)


メタな発言をしまくるリコちゃんと探偵の、推理アドベンチャー。

ゲームや推理もののお約束に突っ込みつつ殺人事件の捜査をしていきます。
内容はコミカルで、イケメン探偵さんとリコちゃんによるボケと突っ込みにクスっと笑えます。
メタ発言もあまりしつこいととうんざりすることもありますが、このゲームは初めからそこを
趣旨にしていますし、やりすぎでない笑える範囲で留まっていたと思います。
全てがコミカルという訳でなく、人物造形やストーリーは丁寧でした。

そして、推理ゲームとしての作りもちゃんとしていて好感が持てます。
探索範囲も広すぎず、犯人もまあまあ分かり易いので、気軽に楽しめました。

エンディングは2種類。推理成功エンドと失敗エンドです。
失敗パターンは、指摘した人物によっ会話の変化あり。

肩肘張らずに推理ゲームを楽しみたいという方、お薦めです。
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籠の街

2018年07月27日 20:00

籠の街【タイトル】 籠の街
【制作】 籠の街 稲海様

籠の街
【ジャンル】 ノベルゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 8種類
【プレイ時間】 1周30分(トータル2時間)程度
【ツール】 Ren'Py
【容量】 247MB
【公開日】 2017年7月1日
【プレイver.】 1.11

少年は、自問自答を繰り返す。

小さな街。僕の住む街。僕の育った街。僕はこの街が好きだ。
変わりたくなかった。変わっていくのが怖かった。
大人になりたくなかった。子供のままでいたかった。
僕は、このままでいたかったんだ。 (制作サイトより引用)


第13回 ふりーむ!ゲームコンテスト 短編部門にて金賞を受賞された作品。

コンテスト受賞作をプレイさせて頂くと、時折「これはまさに金賞に相応しい……!」と
膝を打つ名作に出会えます。この作品もそのひとつでした。

おとぎ話のようでもあり、世界のどこかに存在する遠い国のようでもある、異国情緒ある街が舞台です。
大人になりたくない少年と、少年が大切に思う人々の物語。

私は、自分が子供の頃には「子供のままでいたい」と思うことはなかったように思います。
子供時代は上手くいかないことばかりで、満ち足りたものではなかったから。
なので、この物語の主人公はきっと今がとても幸せな子供なんだろうなと思っていました。

少年には両親がいないようです。
しかし、口うるさくも気さくなおばあちゃん、友達のお嬢様、坊やと良い人たちに囲まれていて。
時には喧嘩もするようですが、きちんと意見をぶつけ合える良い関係で、確かに幸せそう。
主人公含めこの物語の人々はきちんと自分の意見と考えを持っていて、恐れずにそれを語ります。
特にお嬢様。
世間知らずのご令嬢のようで、物事を深く、広く、それでいて真っ直ぐに見据えることのできる少女でした。
そんな彼女の語り口には、感銘を受けました。

エンディングは、それぞれの登場人物×2つずつ。
最初は、おばあちゃん、お嬢様、坊やの3人で、それらをクリア後にもうひとり登場します。
どこかに作者さんお薦めのプレイ順が書いてありましたが、私は心の赴くままにやりました。
真っ先にプレイしたのは、おばあちゃんルート。
自分がおばあちゃんっ子だったので、おばあちゃん好きすぎて困りました。

あれ?と思ったのは、多少の差はあれ、2つあるエンディングがどちらも似ていること。
ひとつは一歩だけ大人になったエンド、ひとつは子供のままで幸せエンドなのかな……?
でも、何となく中途半端なような、分かり辛いような。
そう首を傾げつつ4人目のお話を読んで、疑問が全て氷解しました。
まさに、このルートに物語の神髄が詰め込まれています。

最後は、少年が子供のままで過ごしたいのか、大人になる一歩を踏み出すかの選択があります。
どちらを選ぶにしろ、少年は自分の考えをはっきりと述べていて。
それを聞いていると、必ずしも大人になることが正しく唯一の道とは思えなくなりました。

ただ、どちらが良いとか、少年の気持ちは差し置いて、私は少年に大人になって欲しいと願いました。
そしてその先に、この道を選んで良かったと思える日が来るように。
読んでいて涙が零れそうで、それを堪えながら心底そう願いました。

※この先に、少しだけネタバレかもしれない部分がありますので、反転させないと見えないようにしています。

特に、【おばあちゃん、お嬢様、坊やの名前が明かされる】シーンは本当に泣きました。
今まで出ないのが不思議に思っていたのに……ここで……。

ちなみにこちらの作品、フリー音楽素材として提供されている「今宵夢の終わりにて」という曲が
メインテーマとして採用されています。
公式ホームページや、タイトル画面で流れる音楽です。
これが、フリー素材ながら実はこの作品のために作られたのでは?と思ってしまう程ぴったり。
今でも聴くと、物語を思い返して涙腺が緩みます。

イラストも綺麗ですし、読んで良かったと心底思える良質のノベル作品でした。
「物語」を読みたい方、ぜひお手に取ってみて下さい。お薦めです。
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