七つ下がりの雨

2018年08月26日 20:00

言ノ葉迷宮【タイトル】 七つ下がりの雨
【制作】 言ノ葉迷宮 KaTana様

七つ下がりの雨


【ジャンル】 短編推理コミックゲーム
【対象】 全年齢
【ED数】 5種類
【プレイ時間】 1周10分(トータル30分)程度
【ツール】 吉里吉里2/KAG3
【容量】 17.2MB
【公開日】 2013年12月29日(Web公開)
【プレイver.】 2.00

元OLの春見(はるみ)は、縁あって私塾の講師をはじめる。
そんな中、豪雨で交通機関が麻痺し、彼女は三人の塾生とともに取り残される。
塾内でささやかれる不穏な噂。
その当事者が、この中にいる――? (制作サイトより引用)


ミステリー作品を多く制作されている言ノ葉迷宮さんによるコミックゲーム。
コミックゲームとしては第2作目にあたります。
コミックマーケット84で頒布したものを、2013年12月にフリーソフトとして公開されたそうです。

コミPo!というコミック制作ツールで作られた作品。
クリックかエンター、またはマウスのホイールでページを進めていきます。
ストーリーは、塾の講師である春見が、いじめについて探っていくというもの。
言ノ葉迷宮さんの作品らしい良質のミステリーで、すごく面白かったです。

選択肢も多く、最初は全てが霧に包まれたような状況で首を傾げつつプレイしていましたが、
色々な選択肢を試しているうち、徐々に色々なことが見えてきました。
最初はバラバラに見えたピースが、最後で繋がっていくのが快感で楽しかった。
あからさまに「これは何かありそう」という会話から、何気ない会話にまでヒントがあるので、
注意して情報を把握していくべしです。

最初に辿り着いたのは、結末5。これは何も解決できないエンディングです。
恐らく普通にプレイしていると最初はここに辿り着くはず。
一度結末を見ると、それを避けて進むためのヒントを開放できるようになります。
ただ私はちょっと挑戦したい闘志が湧いてきたので、ヒントは使わずにプレイを続けました。

その後は結末4を迎え、更にひとつずつステップアップして、ヒントなしでコンプリートできました。
タイトル画面から、結末一覧→プレイログで各結末の閲覧数も見ることができます。
ちなみに、私は(2,2,2,2,1)でした。なかなか順調なのでは!

途中の一部の謎(ドリンクの選び方)ではどうしてそうなるのか分からなかったんですが、
色々なエンディングを見て疑問が氷解しました。

難しすぎない、でも簡単でもない。きちんと推理して試行錯誤できるミステリーです。
短編ですし大作とまでいかずとも、細かい伏線も含めてよく練られた素晴らしい作品だと思います。
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銀河特装ライジン

2018年08月25日 20:00

セイナルボンジン【タイトル】 銀河特装ライジン
【制作】 セイナルボンジン たぬ子様

銀河特装ライジン
【ジャンル】 特撮風アクションノベル
【対象】 全年齢
【ED数】 - (分岐なしノベル)
【プレイ時間】 1時間15分程度
【ツール】 NScripter
【容量】 74.0MB
【公開日】 2016年7月16日
【プレイver.】 1.00

銀河連邦警察の捜査官であるライジンこと真明寺 轟。
地球を守る任務に就く彼は、ある日故郷の災厄から逃れ地球に辿り着いた
異星の王女パルティアと出会う。
轟は、彼女に秘められた力を狙う武器商人ドルジからパルティア姫を守る為、戦う。


1980年代の特撮番組をオマージュして作られた作品だそう。
地球を守るヒーロー・ライジンと、その助手のアンドロイド・アリエル。
そして遠い惑星から助けを求めてやってきたお姫様・パルティア達の物語。

セイナルボンジンさんの作品は紙芝居ノベルという独特の作風で、
アニメとサウンドノベルとの中間のような感じです。
他の作品をいくつかプレイさせて頂いていて、その面白さは知っていたので今作も期待していました。
いやー、もう期待通り、すごく面白かったです。
王道ヒーローアクションで、胸が熱くなりました。
主人公のヒーローは、その名も真明寺 轟。
もう、特撮ヒーローになる為に生まれてきたような名前じゃありませんか。
人間味があり、ちょっぴり三枚目。でも人としてカッコ良いヒーローに、
愛嬌たっぷりの可愛い助手、そしてヒロインは美しいお姫様。
悪役もイケメンで、その手下は絵に描いたような、時代劇の悪代官のような悪党という。
もう、正義も悪党も全部含めて全部魅力的なのです。
何も凝ったシナリオや斬新な設定なんてなくても面白いものは面白い、
ということを気付かせてくれる作品です。素晴らしい作品でした。

しかし、その面白さも作者さんの力量ありき。
丁寧に作られたらから作品だからこその面白さだと思います。
この作品の為に900枚を超える画像を描かれているそうで、凄まじい。
同じストーリーでも、この努力、そして演出の巧みさと丁寧さが無ければ陳腐になってしまうでしょう。

ヒーローものだから、きっと最後は勝つ!と信じて読んでいたものの、
この先どうなるんだろうとハラハラドキドキしさせられました。
シリアスな展開の中にも、思わず和んでしまうコミカルなシーンもあり。
そして登場人物たちの悲しみや苦悩も丁寧に描かれています。
子供の頃に見た特撮のカッコ良さだけではなく、色々な意味で「戦う」ことの意味を考えさせらます。
読了後のおまけで4コマ漫画も読めるのですが、そちらもコミカルで楽しめました。

変身特撮ヒーローが嫌いな方はそういらっしゃらないかなと思いますし、
ぜひ手に取って頂きたい良作です。
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幸福の塔

2018年08月24日 20:00

稲海【タイトル】 幸福の塔
【制作】 稲海 かずき様

幸福の塔【ジャンル】 ノベルゲーム
【対象】 15歳以上(高校生~)推奨
【ED数】 5種類
【プレイ時間】 1周20分(トータル1時間10分)程度
【ツール】 Ren'Py
【容量】 160MB
【公開日】 2018年2月11日
【プレイver.】 1.03

歪みの果てに、幸福はあるか。

昔々、そのまた昔、救世主は悪い悪いドラゴンを倒しました。
人々に讃えられ、崇められた救世主は言います。
「穢れを知らぬ子供たちの手で、空を越えた遥か彼方、
『神の国』まで届く塔を建てねばならぬ。そこには苦しみも悲しみも、ありはしないのだ」
国中から集まった子供たちは、まだ見ぬ『神の国』を目指し一心不乱に塔をつくります。

それが一体、何であるかも知らないままに。 (readmeより引用)


選択式のノベルゲーム。

「救世主」や「神の国」等、宗教的な言葉にどこか胡散臭さを感じてしまうのは、日本人だからでしょうか。
ただ、紹介文からしても「幸福の塔」とやらが謳い文句通りでないのは明らかですし、
暗い物語を覚悟してのプレイでした。

セピア色の背景に、背景とシンプルな人物画で構成された画面。
残酷な物語も、どこか御伽噺のような昔話ような雰囲気です。

幸福の塔にどこからともなくひとりの子供がやって来ます。
男の子とも女の子とも知れない、ぼろ布を纏った子供。喋ることができないようです。
プレイヤーはその子を目を通して塔の様子を知っていくことになります。

幸福の塔というからには、少なくとも表面上は幸福を装っているのかと想像していました。
しかし、中身は想像より遥かに残酷でした。

主人公は、行動する場所によって3名の主な人物と交流(?)することになります。
人物によっては鼻もちならないというか酷いやつもいて、憤りを感じるのですが……
主人公が喋れないことに安堵してか、物語が進むにつれ彼らは本音を語り始めるのです。
彼らの色々な面を知り、そしてどういう結末を迎えるかを見届ける。
しかし何より、そんな彼らの健気さや狂気、横暴を目の当たりにしても無反応な主人公が謎過ぎて
この子は一体何者?というのが一番心惹かれるポイントなのでした。

ルートによっては、思わず目を背けたくなるようなかなり残酷なものもあります。
また、意外な事実が分かって驚かされるようなものもあり。
決して楽しい話ではありませんが、物語として読み応えがあるものでした。

エンディングは全部で5つ。
5番目のルートで、ようやく主人公の正体が明かされます。
このルートは救いのようでもありますが、塔の背後に控えているものを考えると決して救われたとは思えず。
最後まで暗澹たる気持ちでした。

※この先少しネタバレになるかもしれないので、反転しないとみえないようにしています。

物語を書くのがとても上手い作者さんだと思うので、敢えて個人的に気になったところを挙げますと、

主人公の最後の語りが少し平凡で大物感を感じなかったことでしょうか。
もう少し神々しい台詞か、もしくは主人公は最後まで何も喋らない潔さがあっても良かった気がします。

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かたっぽのくつした

2018年08月23日 20:00

ネコエンピツ【タイトル】 かたっぽのくつした
【制作】 ネコエンピツ ナナメ様

かたっぽのくつした
【ジャンル】 探索アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 1種類
【プレイ時間】 10分程度
【ツール】 RPGツクールMV
【容量】 227MB (ダウンロード版)
【公開日】 2018年6月10日
【プレイver.】 1.2

むかし、むかし、あるところに
パンダという猫が湖の近くに住んでいました。 (ふりーむ!作品ページより引用)


10分程度でクリアできる、短編の探索ゲームです。
ツクールMV製で、ダウンロード版とブラウザ版があり。
ふりーむ!さんのページで、それぞれ別作品として公開されています。
【追記】 後日、PRGアツマールでも公開されました。

ふりーむ!の作品ページ ブラウザ版→ ダウンロード版→ 
RPGアツマールの作品ページ→

私はダウンロード版をプレイさせて頂きましたが、ゲーム内容にそぐわず容量が大きいので
気になる方はブラウザ版が良いかもしれません。

パンダという名前の猫ちゃんが、靴下を捜すゲーム。
長靴をはいた猫ならぬ、靴下をはいた猫なのです。
パンダなのか、猫なのか……いやしかしパンダも中国語だと熊猫……!だとしたらこの子はパンダ?
と混乱する方、ご安心下さい。名前変更も可能となっています。

気軽に遊べてほのぼのできそう、と期待してプレイさせて頂きましたが、まさに期待通り。
ちょっと脱力系で尖ったところのない、見た目通りの作品です。
しかし、ただ靴下を捜すだけのミニゲームかと思いきや、その靴下が意外でストーリーも楽しめました。

探索箇所は少な目なので、さくさく進めます。
ちょっとした時間に気軽に遊べる作品をお探しの方にお薦めです。

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夕暮れ少年

2018年08月22日 20:00

沼から現れた【タイトル】 夕暮れ少年
【制作】 沼から現れた 地獄カバ様

夕暮れ少年
【ジャンル】 短編アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 15分~25分程度
【ツール】 RPGツクールVX(RTP不要)
【容量】 21.4MB
【公開日】 2012年7月17日
【プレイver.】 0.2

放課後の教室。
級友のクレメンテから「究極の素材を3つ集めてきて欲しい」と頼まれた朔太郎。
究極ってなんだ…?と首を傾げつつも、朔太郎は素材探しに奔走することに。


時代は大正?昭和?それとも平成?細かいことはどうでもいい!
ポップで、でもレトロな雰囲気が魅力の短編ゲームです。

大正から昭和初期っぽい学生服の男子・朔太郎が町を奔走します。
いきなり「究極の素材を集めて」と言われ放り出され……どうしたらいいの!?と
戸惑いつつプレイ。
しかし、街を練り歩いていると何とかなっていきます。
街並みもちょっと田舎のレトロなお店が立ち並んでいたり、とにかく探索が楽しかった。
コミカルでちょっとエキセントリックなお話なのですが、そのグラフィックに和みました。

とりあえず試行錯誤して1周目をクリア。
何だかとんでもない結果に。
このエンディングの台詞や結末を吟味すると、もうひとつのエンディングに辿り着くには
「こうすればいいのでは?」というのが何となくピンときました。
テイストがまるで違う2つのエンディングですが、どちらも好きです。

欲を言えばもっとこの雰囲気に浸りたかったなぁとも思いますが、
時間をかけずに、気軽に楽しめるところは良い点でもあるかなと思います。
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