
【タイトル】
冬蟲禍草【制作】
アメシコウ
【ジャンル】 和風奇譚ADV
【対象】 15歳以上推奨
【ED数】 3種類
【スチル数】 13枚(差分 / ミニスチル数枚 など含まず)
【プレイ時間】 1周1時間17分(トータル2時間13分)程度
【ツール】 ティラノスクリプト
【容量】 230MB(ダウンロード版)
【公開日】 2018年11月11日
【プレイver.】 1.1
私たちは寄生される。
近代化を急ぐ都市から遠く離れた場所に、その村はある。
未だ前時代の色を濃く残し、緑溢れるその村を人々は―
山の神に呪われた村だと言った。
本来足で踏みしめる地べたに生えるはずの草花が、蔓が、苔が、
村人たちの体を苗床にこの世の春を謳歌する。
まるで山の一部となるように息絶えていく 禍草 と呼ばれるその呪いは、
等しくすべての村人たちの上に降りかかっていた。
たった一人をのぞいて。 (制作サイトより引用)
ふりーむ!からはダウンロード版のみ、ノベルゲームコレクションではブラウザ版もプレイ可能。
ふりーむ!の作品ページ→
■ ノベルゲームコレクションの作品ページ→
■ティラノゲームフェス2018 にて、準グランプリを獲得された作品です。
こちらの作品は何年も前にゲーム紹介ページをお見かけしまして、
何て面白そうなストーリーなんだ!と心惹かれていた作品です。
一時更新が止まっていたので残念に思っていたのですが、こうしてプレイできる日が来るとは……っ!
もう、完成させて下さった作者さんに感謝です。
やや女性向け傾向ですが、乙女ゲーというよりは怪談・奇談に相当する伝奇ノベルかと。
奇病なのか呪いなのか。身体から植物が生えるという村人たちが暮らす、閉鎖的な村が舞台です。
植物とはいかずとも、現実の我々も悪性腫瘍のような病魔に蝕まれる運命は抱えている訳で。
身体の中に巣食う忌まわしいものに、怯え、怒り、否定し、そして諦念を抱く。
村人たちの感情は想像するに難くありません。
そんな中、人知を超えた存在として君臨する「あらひとがみ」。
人間離れした美しさ、表現する文章も素敵でしたが、語らずともイラストを見れば伝わってきます。
作品中で顔がきちんと描かれているのは主人公のアヤメ、幼馴染のナズナ、そして現人神の3人のみ。
中でも現人神は群を抜いて妖しく美しく、見惚れてしまうシーンが多かったです。
ストーリーは奇怪なだけではなく実に淫靡で、残酷、そして美しくもありました。
ただただ目を背けたくなるような残酷さというよりは、怖いのに、後ろめたいのに
つい覗いてしまいたくなるような引き付けられる何かがあります。
タイトルの元になっている冬虫夏草も、奇怪な現象に顔をしかめつつも生命の神秘に畏怖させらるものです。
それに似た感情のようでもあり、或いは単に怖いもの見たさや秘密を垣間見たい好奇心なのかも。
エンディングは、どれも「ハッピーエンド」と言えるものではないと思います。
もしこの作品がもう少し乙女ゲー寄りなら、また一味違った穏やかなエンドもあり得たのかもしれません。
ただ、伝奇ノベルとしてはこの終わり方で良かったと思えるものでした。
日本の昔話や怪談が持つ雰囲気を踏襲した作品だなぁと思います。
幼い頃はただただ怖くて震えていたそれが、大人になった今では澱となっていつまでも心に残っている。
そんな原風景をどこかに感じるのでした。
理詰めで考えるよりは、御伽噺がもたらす余韻を楽しむべしです。
エンディングは3種類。
私は自力コンプリートできましたが、やや手間取りました。
詰まった方は、作者さんのtwitterから攻略ページへのリンクがあります。
沙鳥(11/18)
沙鳥(10/24)
ゆゆ(10/19)
沙鳥(09/05)
長友(08/28)