2019年10月10日 20:00

【制作】 Paper Moon ゆきはな様

【ジャンル】 百合ADV
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 2種類
【プレイ時間】 1周1時間(トータル1時間25分)程度
【ツール】 ティラノビルダー
【容量】 262MB(ダウンロード版)
【公開日】 2019年8月29日
【プレイver.】 1.03
浜辺で海を見つめる人間に、一目で恋に落ちた人魚の少女。
彼女は、海の魔法使いに「人間になりたい」と願い出る――
ティラノビルダー製でふりーむ!でブラウザ版、ノベルゲームコレクションではブラウザ・ダウンロード版がプレイ可能。
ふりーむ!の作品ページ→■ ノベルゲームコレクションの作品ページ→■
ティラノゲームフェス2019 にて、準グランプリを獲得された作品です。
これは、冒頭からラストまで、ほうっと溜息が出る程美しい作品です。
正直、私は百合はあまり好みではないです。
何で好きでないのかをよく考えると、「女の子がただイチャイチャしてるだけの百合」が苦手な模様。
この作品もそうだと言われればそうなのですが、良い意味で女性同士だからこその
肉感の無さが際立っていて、読んでいてとても綺麗だなと思いましたし、自然に受け入れられました。
百合に抵抗ある方にも読んでみて欲しいです。
だがしかし……っ!アリアとセレナには申し訳ないのですが、サフィルスお兄様のイケメンっぷりが
私の中ではイチオシでした。ゆきはなさんの描く男性、すごい好きなのです。
ストーリーは淡々と語られる感じで、いつかは終わってしまうという危うさを抱えつつも穏やかに進んでいきます。
光に包まれたグラフィックはベールのむこうを見ているようで、どこか現実感が薄い。
でも、だからこそ美しい。
プレイ時間にして1時間強、作品中で過ぎる時間は1年程。
しかし、その背景に長い長い年月の深淵を感じさせられる物語でした。
エンディングは2つ。ハッピーとトゥルーで、終盤の選択肢で変化します。
ハッピーを読んでとても良いエンドだなぁと思っていた矢先、トゥルーでハッと胸を突かれました。
まさか、物語がそういう風に繋がっていたとは……。あまり予想していなかったので衝撃でした。
このトゥルーのエピソードが、先の述べた永遠とも思える時と深淵を思わせて物語に深みを与えています。
読み終わってみると、トゥルーがあまりにも良すぎてハッピーが霞んでしまったんですが、
よくよく思うとハッピーの展開に進んで欲しいと思う気持ちも芽生えてきていたり。
音楽もオリジナル曲が用意されていたりと、とても贅沢です。
音楽、グラフィック、物語とどれをとっても印象的で、心の琴線に触れる作品でした。
沙鳥(11/18)
沙鳥(10/24)
ゆゆ(10/19)
沙鳥(09/05)
長友(08/28)