セブンテットクロス

2018年07月07日 19:00

有限の遑【タイトル】 セブンテットクロス
【制作】 有限の遑 皐月の夢様

セブンテットクロス
【ジャンル】 微ホラー探索ゲーム
【対象】 12歳以上(中学生~)推奨
【ED数】 5種類
【スチル数】 8枚
【プレイ時間】 1周1時間50分(トータル3時間40分)程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 117MB
【公開日】 2017年1月4日
【プレイver.】 1.25

警察官になることを目標に大学に通う主人公、ユシア。
彼女は偶然にも殺害現場に居合わせてしまい、殺人鬼と間違われて刑務所に投獄されてしまう。
失意の中、刑務所で出会ったのは個性豊かな囚人たちだった。
彼らの協力を得ながら、脱獄の方法を探るユシア。
しかし、調べているうちに刑務所内で起きている”異変”に 気づいてしまう。
”――この刑務所は、何かがおかしい・・・”
ユシア達はその異変へ巻き込まれていく・・・。
囚人たちと協力し、無事に刑務所から脱獄することはできるのか。 (制作サイトより引用)


以前、過去作の紹介でも書いた通り、皐月の夢様のゲームは実はこれを最初にプレイしました。
あまりに面白くて、全作品プレイしよう!と思ったきっかけになった作品です。

刑務所の謎を探り脱獄を目指すという、なかなかユニークなストーリーのゲームです。
ドラマ(特に海外)だとありそうな設定ですが、フリーゲームでは見た記憶がありません。
牢獄が舞台、だと思い当たるんですけどね。
刑務所だけに、登場人物たちの服装はボーダーの囚人服。
ですが、へそ出しやミニスカート等、キャラクターに合わせた個性的なデザインばかりで面白いです。
自分だったらどんな服がいいかなぁ(入る気か!)と想像したりもしました。
キャラチップは少し頭でっかちのデフォルメキャラで、すごく可愛いのも良し。

無実なのに、何故か真っ黒な証拠を固められ投獄されてしまう主人公ユシア。
そんな馬鹿な……と目を疑う展開や、上記のスタイリッシュな囚人服など、現実感は薄いです。
しかし、リアリティよりもフィクションとして興味を引かれる設定、次に何が起こるんだろうという
続きを知りたくなるドキドキ感がたまらない。
そして、ユシアが刑務所で出会う囚人たち。彼らはいずれも個性的で、そこが一番の醍醐味かと。
特に中心人物となってくるキースは、詐欺師という設定ながら、切れ者で掴みどころのない性格、
そしてイケメンという魅力に溢れたキャラクターです。
そんなキースに最初は振り回されながらも、徐々に協力して謎に迫っていくという展開に胸躍りました。
ストーリーが上手いというより、ストーリーを上手く見せていく演出や台詞回しが巧みで素晴らしいです。

ただ、ユシア以外の囚人は、何かしら罪を犯して投獄されている人物ばかりです。
彼らが何を犯したのか、どんな過去があったのかも少しずつ明かされることとなりますが、
どこまで許容できるかは、個人の倫理観や経験に左右されそうだなぁという気はしました。
私もコレは心情的に許せるかなと思う人と、コレ、ダメじゃね?と思う人に分かれてます。
そして囚人たちの回想シーンは、彼らをより理解するための重要なシーンなのですが、
そこが文章だけで語られるのは少し残念ではありました。
“セブンテットクロス”というタイトルで、7人全員が主人公と言ってもいいはずの作品なのですから、
せめて1枚で良いのでCGがあればなぁと思いました。絵が魅力的な作者さんなので尚更なのです。

途中には謎解きもあり。難易度は中くらいかな?
見てぱっと分かる程に容易ではないけれど、じっくり考えれば正解に辿り着けるという感じです。
時間制限の所もあり焦りますが、最初はゲームオーバーも覚悟でどっしり構えて考えたら
きちんと時間内にクリアできました。
種類も閃きが必要な暗号のようなものから操作手順を考えるロジック系のものまで、
色々な種類があって楽しめました。
もし詰まっても制作サイトさんに攻略があるので安心です。

エンディングは全部で5種類。
Bad2とHappyは分岐が分かり易くなっており、その2つは1周目でさっくり辿り着けました。
NomalとBad1、3については、フラグの立て直しが必要でやや序盤から再プレイすることに。
しかし、手順が分かっていたので思ったより容易に全てのエンディング見ることができました。
どこまでフラグ回収しているかで最初に辿り着くところは変わると思いますが、
全エンド回収の為にはいずれにしても2周以上のプレイは必要です。

Bad系は予想通りと言えばそうですが、CG含めて思った以上にエグイ……。
その分Happyは熱い展開。その後のエピソードも予想を超えた形で、希望と幸せに溢れています。
特に、最後のCGでもう何もいらないと思える程に良かった、という気持ちに満たされました。

以下、長くなりますがネタバレありの感想とそれぞれのエンディングの感想を書きます。
既プレイでないと分からない書き方ですので、プレイ後の閲覧を推奨します。
反転させないと見えないようにしていますが、ネタバレが嫌な方はご注意下さい。

※以下、ネタバレ注意※






総じて、キャラクターの魅力、台詞の上手さ、キースとのシチュエーション、CGが魅力的な作品でした。
ストーリー展開自体はそこまで捻りはなかったかなと。
展開として、7人のうちのひとり(特にサイラスとか適役)が黒幕だとまた違った面白さがあったんでしょうが、
そういうところを見せたかった作品ではないのだろうと思っています。


以下は、エンディング毎の感想です。

◆ Bad End3 【殺人鬼

これ、個人的に一番納得いかないエンドです。モヤモヤします。
えー、何それ!?キースの証言もありそうなのに、そんな展開アリ!?と。
たった一つの救いは、キースが生存していることでしょうか……。



◆ Bad End2 【部品

多分この選択肢を選ぶとこうなるだろうな、と分かって初めに回収したエンド。
展開は予想通りでしたが、CGがエグくてうわぁ……と思いました。
しかし、細かく描かれているので思わす見入ってしまったという一面も。
この後のエリオットがどうなったのか気になるところでもあります。ちゃんと3回助けたのだけど。



◆ Bad End1 【失ったモノ

キースが好きな方には一番辛い展開ではないでしょうか。でも彼はカッコ良かった。
正直、これがキース以外のキャラクターだと、
「ああ、なんてこった、彼は良い奴だった。君のことは忘れず、これから頑張るよ……!」
という感じで終わってしまうかもしれないんですよね。
ある意味でキースの見せ場というか役得というか、彼以外では成立しないエンドだと思います。
しかし、ユシアのことだけ考えると私はNomalよりこちらの方が良かったとも思えます。
夢を叶えることができたのですから。
深い傷を抱えたものの、それをバネに頑張れるかどうかはユシア次第。
心折れずにちゃんと夢を叶えた時点で、彼女はきっと大丈夫だと思いたい。
エゴだなぁと我ながら思いますが、私がユシアの身内だったらそう思うかもしれません。



◆ Nomal End 【刑務所での日々

一見幸せそうですが、これ、メリーバッドエンディングというやつでは。
私はちょっと複雑な気分になりました。
そのうち冤罪が証明されるはずというドニスの台詞のように、当てのない期待感だけが救いの、
ぬるま湯のような平穏と幸福。
うーん、悪くはないんだ。でも喜べない。うーん。



◆ Happy End 【それぞれの始まり

これは、もう言うことはないお腹いっぱい、胸いっぱいのハッピーエンドです。
汚名を雪いだだけでなく、当初とは違った夢と目標を見つけ、それに向かって進んで行くユシア。
そしてキースとの再会。
本文でも書きましたが、最後のCGは日差しに溢れる中での2人が幸せそうで感無量です。
エンドロールで流れるその後の様子も、ひとつひとつスクリーンショットに取って眺めてしまいました。
これは、ドニスとの勝負は勝ったな……!と思ってしまったのですが、どうなんでしょうね。
これ、ぜひ乙女ゲーにして欲しいと思う程、この2人の関係にはときめきましたし、良かったです。
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