幸福の塔

2018年08月24日 20:00

稲海【タイトル】 幸福の塔
【制作】 稲海 かずき様

幸福の塔【ジャンル】 ノベルゲーム
【対象】 15歳以上(高校生~)推奨
【ED数】 5種類
【プレイ時間】 1周20分(トータル1時間10分)程度
【ツール】 Ren'Py
【容量】 160MB
【公開日】 2018年2月11日
【プレイver.】 1.03

歪みの果てに、幸福はあるか。

昔々、そのまた昔、救世主は悪い悪いドラゴンを倒しました。
人々に讃えられ、崇められた救世主は言います。
「穢れを知らぬ子供たちの手で、空を越えた遥か彼方、
『神の国』まで届く塔を建てねばならぬ。そこには苦しみも悲しみも、ありはしないのだ」
国中から集まった子供たちは、まだ見ぬ『神の国』を目指し一心不乱に塔をつくります。

それが一体、何であるかも知らないままに。 (readmeより引用)


選択式のノベルゲーム。

「救世主」や「神の国」等、宗教的な言葉にどこか胡散臭さを感じてしまうのは、日本人だからでしょうか。
ただ、紹介文からしても「幸福の塔」とやらが謳い文句通りでないのは明らかですし、
暗い物語を覚悟してのプレイでした。

セピア色の背景に、背景とシンプルな人物画で構成された画面。
残酷な物語も、どこか御伽噺のような昔話ような雰囲気です。

幸福の塔にどこからともなくひとりの子供がやって来ます。
男の子とも女の子とも知れない、ぼろ布を纏った子供。喋ることができないようです。
プレイヤーはその子を目を通して塔の様子を知っていくことになります。

幸福の塔というからには、少なくとも表面上は幸福を装っているのかと想像していました。
しかし、中身は想像より遥かに残酷でした。

主人公は、行動する場所によって3名の主な人物と交流(?)することになります。
人物によっては鼻もちならないというか酷いやつもいて、憤りを感じるのですが……
主人公が喋れないことに安堵してか、物語が進むにつれ彼らは本音を語り始めるのです。
彼らの色々な面を知り、そしてどういう結末を迎えるかを見届ける。
しかし何より、そんな彼らの健気さや狂気、横暴を目の当たりにしても無反応な主人公が謎過ぎて
この子は一体何者?というのが一番心惹かれるポイントなのでした。

ルートによっては、思わず目を背けたくなるようなかなり残酷なものもあります。
また、意外な事実が分かって驚かされるようなものもあり。
決して楽しい話ではありませんが、物語として読み応えがあるものでした。

エンディングは全部で5つ。
5番目のルートで、ようやく主人公の正体が明かされます。
このルートは救いのようでもありますが、塔の背後に控えているものを考えると決して救われたとは思えず。
最後まで暗澹たる気持ちでした。

※この先少しネタバレになるかもしれないので、反転しないとみえないようにしています。

物語を書くのがとても上手い作者さんだと思うので、敢えて個人的に気になったところを挙げますと、

主人公の最後の語りが少し平凡で大物感を感じなかったことでしょうか。
もう少し神々しい台詞か、もしくは主人公は最後まで何も喋らない潔さがあっても良かった気がします。

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