カルィベーリ

2018年11月22日 22:06

共食いうさぎ【タイトル】 カルィベーリ
【制作】 共食いうさぎ あうぐ様

カルィベーリ
【ジャンル】 探索アドベンチャー
【対象】 全年齢
【ED数】 1種類
【プレイ時間】 25分程度
【ツール】 WOLF RPGエディター
【容量】 16.5MB
【公開日】 2015年2月14日
【プレイver.】 1.00

「……お姉ちゃん、おなかすいた」
家の中には空っぽの缶詰が転がるばかり。
ターニャはお腹を空かせた弟・エフィムの為に、食料を探しに出かけるが……


変わったタイトルだなぁとは思っていたのですが、タイトル画面に書かれたキリル文字を見て納得。
ロシア語かー!
"Колыбель"、英語だと"cradle"――揺り籠(転じて安住の地とか?)という意味のようです。

食べるものがない環境で、弟エフィムの為に姉のターニャが食料を探しに出かけます。
同作者さんの作品をプレイしたことがあればお分かりでしょうが、あうぐさんらしい重いストーリーでした。

タイトルのカルィベーリは、彼女が探索するホテルの名前として登場します。
“ホテル・カルィベーリでは、都会の喧騒を忘れて静かな時間をお過ごしいただけます”
パンフレットのそんな謳い文句から、平穏な日常の名残が垣間見えるのがまた悲しい。

なぜ彼女たちが困窮しているのかは、ゲームを進めると何となく分かってきます。
ホラー要素はあまりないものの、BGMの無い静かな中を黙々と探索する不安感はありました。
探索はあうぐさんらしいパターンで、複数の手記とフラッシュバックの回想でストーリーを見せる形式。
探索は迷うところがほとんど無く快適でした。
次々に手に入れたアイテムが繋がっていきますし、さりげなくアイテム説明に使い方のヒントもあり。
さくさく進めます。
途中で手に入る写真に記載された英文が、世界を暗示していて考えさせられました。

あまり良いエンディングは期待していませんでしたが、予想通り重く救いのない結末でした。
ラストの展開には、「えっ?どういうこと?」とびっくり。
びっくりしすぎてもう1周プレイし、そのおかげで疑問が氷解しました(と、思っています……多分)。

以下、ストーリーについての私の見解です。
ネタバレになりますので、反転させないと見えないようにしています。閲覧にはご注意下さい。


恐らくですが、最初にカルィベーリに籠っていた姉妹の妹・ニーナを殺したのはターニャだと思っています。
セピア色の回想シーンはターニャの記憶だと思っているのと、ストーリーの構成を考えての解釈です。
そしてラストで出てきた赤い服の少女が、「誰かの手記」に出てくる銃を持った子かな、と。
ニーナの姉は、「ニーナの隣に私の墓を作った」の示唆から、既に故人ではないかと推測します。
また、赤い服の少女が帰り着いた家は、序盤のターニャの家(というか住み着いていた家)とは別の場所。
最初はそこがターニャの家で、待っているのがエフィムだと思ったので「何で!?」と驚いてしまったのですが、
リプレイして見比べると家具が少し違うんですよね。
呼び方がエフィムは「お姉ちゃん」、ラストの子は「おねえちゃん」で表記が違うのも意図的な区別かなと。

寄り添うようにして生きるきょうだいの片割れを、生きる為に別のきょうだいの片割れが殺し、
そしてその子をまた同じ理由で別のきょうだいの片割れが殺してしまう……
そんな救いのない連鎖のストーリーだと思っています。

ちなみに、探索中に見つかる三葉の写真に書かれた文章は、検索してみるとロシアの偉人や子守歌、
イギリスのマザーグースからの引用っぽいです(ちょっと単語が違うところもあるのですが)。
"cradle"という言葉を含んだ文章から、ストーリーを暗示するようなものを選ばれたのでしょうか。

回想の中でホテルのフロントやレストランに人がいるシーンがあるのですが、
もしかしたら昔、ターニャはここに来たことがあるのかもしれません。
彼女の境遇を考えると無さそうなんですが……もしかしたら最初から孤児だった訳ではなく、
幸せな時代があったのかもしれないな、とも思いました。
だからこそ、継母の仕打ちに耐えかねたのかな、とか。
そういうことを考えると、より悲しいです。
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